2019 Fiscal Year Research-status Report
Mental Stress and Preferences: Economic Experiments with Biomarkers
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18K18576
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
池田 新介 関西学院大学, 経営戦略研究科, 教授 (70184421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 憲司郎 神戸国際大学, 経済学部, 講師 (70423209)
犬飼 佳吾 明治学院大学, 経済学部, 准教授 (80706945)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | セルフコントロール / バイオマーカー / ストレス / 疲労 / 時間選好 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)ストレスとセルフコントロールおよび選好の関係についての研究のサーベイを論文池田(2019 『行動経済学』)に、さらにその社会政策への応用を大竹・犬飼・千田(2019)にまとめた。 (2)主観ストレス指標をもちいて、ストレス負荷タスクがリスク、時間、および社会に対する選好に与える影響を調べる7セッション71名のパイロット実験をおこない、現行の実験デザインがどの程度有効かを調べた。その結果、ストレス負荷タスクが実際にストレスを高めるうえで有効であること、および主観ストレスが社会的選好に及ぼす影響が検出できることが確認された。その一方で、ストレスと時間割引やリスク選好の関係を検出するために時間割引タスクとリスク選択タスクを改善する必要性が示唆された。 (3)これまでの経済実験の結果を2つのセミナーで報告した。 (4)ストレス下の選好形成と意思決定に関する論文、Ikeda and Ojima (2019: Tempting goods, self-control fatigue, and time preference in consumer dynamics)について、国際誌から3回目の改訂要求を受け取った。現在、改訂作業を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
・新型コロナウイルスの影響で、経済実験を実施すること、とりわけ唾液を採取する経済実験を実施することが不可能になったため。 ・投稿中の国際誌から、論文Ikeda and Ojima (2019)の再改訂版についての回答を得るのに9ヶ月を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)できれば2020年度の後半にまず最終的なパイロット実験を行い実験デザインを確定したうえで、150人規模の本実験を行い、人々のリスク選好、時間選好、社会選好にストレスがどのような影響を与えるかを解明する予定である。ただ、新型コロナウイルスの影響が終息しない場合には、来年度に実施を延期する可能性もある。 (2)目下国際誌からの求めに応じて改訂している論文(Ikeda and Ojima, 2019)をできるだけ早く掲載できるように取り組む。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響で、経済実験を実施することができなくなったため。 使用計画として、経済実験が可能になった段階で、最終のパイロット実験を行い、経済実験のプロトコールを確定させる。唾液を摂取する150人規模の経済実験を実施し、その結果を解析する。これらの研究計画は、これまでの本助成金の残額と2020年度配分額を併せてとりおこなう。
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