2018 Fiscal Year Research-status Report
Global Impact of Island Women's Proactive Migration on Modern Society
Project/Area Number |
18K18612
|
Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
小川 寿美子 名桜大学, 健康科学部, 教授 (20244303)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山里 絹子 琉球大学, 国際地域創造学部, 准教授 (00635576)
Fewell Norman 名桜大学, 国際学部, 上級准教授 (20577994)
玉城 直美 沖縄キリスト教学院大学, 人文学部, 准教授 (60754322)
金 滋英 名桜大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (90795949)
|
Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
|
Keywords | 女性移民 / 主体的移動 / ドメスティックワーカー / 島嶼間移動 / 市民活動 / 結婚 / リプロダクティブ・ヘルス / 制限と抵抗 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近現代に主体的に移動した先駆的な女性に焦点をあてた社会学的研究である。例えば移民として沖縄から多くの女性が移動した際、その移動に主体性があったのか、移動するか否かを選択できる状況にあったのか、文化や歴史、政治や経済の時代の変遷による後押しがあったのか、教育や貧困、ジェンダーに起因する差別と関連があったのかについて分析を進めている。更に近現代社会において沖縄の女性が住み慣れた土地を離れ、外の世界に向かった要因が、他の島嶼地域にも普遍的な事象なのか、島嶼からの移動と大陸からの移動を比べそれぞれ必然性はあったのかを検証している。 平成30年度の研究実施計画は、上記の目的を念頭に置きつつ、計5名の研究者が夫々の地理的フィールドにわかれて調査を進めた。例えば、研究代表者(小川)は、11月にアイルランドの大学にて移民および女性の歴史の研究者から史実に基づく情報を得たり研究仮説に関する議論をする機会を得た。2月にはスリランカの国際学会(Future to Women)にて移民研究者とのネットワークを構築した。 分担研究者の金は、ドメスティックワーカーの研究のために、シンガポール調査に赴き、主にフィリピン女性にインタビューをし、外国人労働者問題とその特徴について探究している。玉城は、台湾にて研究ネットワークづくりをし、主に市民活動、NGOの中心女性へのインタビューを実施し主体性について探究した。ノーマンは、沖縄県北部(今帰仁村、本部町)の女性をインタビューあるいは文献のメタ分析を通じて米国に移民した事例のライフストーリーをまとめた。山里は、サイパンにて調査を実施し、沖縄移民に対するライフストーリー、インタビューを実施し、島嶼間移動の経験や戦後沖縄における引揚者としての経験を検証している。尚、年間4回の会議も計画通り実施し、研究者間のFace to Faceでの意見交換を心がけた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の初年度である平成30年度は、概ね計画通りに研究を遂行した。具体的にはフィールド調査によるインタビュー、図書資料などの情報収集および、当該地域での研究者ネットワークの構築が中心であった。 まず研究代表者(小川)は、11月にアイルランドの大学にて移民および女性の歴史の研究者から、女性移民と宗教に係る歴史的史実の情報を得たり研究仮説に関する議論をする機会を得た。2月にはスリランカの国際学会(Future to Women)にて移民研究者とのネットワークを構築した。 また4名の分担研究者は、夫々担当する分野について研究を進めた。金は、ドメスティックワーカーの研究のために、シンガポール調査に赴き、主にフィリピン女性にインタビューをし、外国人労働者問題とその特徴について探究している。玉城は、台湾にて研究ネットワークづくりをし、主に市民活動、NGOの中心女性へのインタビューを実施し主体性について探究した。ノーマンは、沖縄県北部(今帰仁村、本部町)の女性をインタビューあるいは文献のメタアナリシスにより、米国に移民した事例のライフストーリーをまとめた。山里は、サイパンにて調査を実施し、沖縄移民に対するライフストーリー、インタビューを実施し、島嶼間移動の経験や戦後沖縄における引揚者としての経験を検証している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、5名の研究者が地理別分担(台湾、シンガポール、サイパン、アイルランド、米国など)に加えて、課題別分担(外国人労働者、結婚、市民活動、戦争引揚者、信仰、など)を切り口に研究を推し進めていく予定である。また研究開始から2年目のため、今年度は論文投稿による研究の収束化に努め、学会あるいは国際会議の場での発表を念頭に置き、研究者間における本研究の周知と、さらなる研究の発展のための人脈づくりを推進する予定である。
|
Causes of Carryover |
分担研究者1名が、平成30年度にフィールド調査を予定していたが、都合の為、翌年度に繰り越しになったため。
|
Research Products
(1 results)