2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K18630
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中田 登志之 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 教授 (40538823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 利恵 (繁富利恵) 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特任准教授 (90443192)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 子育て支援 / チャットボット / 地域情報の活用(コーパス) |
Outline of Annual Research Achievements |
子育て見守り支援用チャットボットを開発して,子育て中の母親や父親に利用してもらい、チャットボットが子育てにありがちな孤立を共感に導くことができるかを明らかにする研究を2018年度から継続して行っている。開発したツールの実証実験をある自治体で行うことを2018年暮れに行い,2019年度は,その結果の解析を主に行った. 専門知識を回答するチャットボット「せんもん」を用いた実験1と専門知識並びに地域情報を回答し,さらに利用者のグループに誘導する「たまん」を用いた実験2の比較を行った.その結果,支援センターの利用率,並びにイベントへの参加率ははともに,実験2でのユーザの方が,実験後利用が増えた率が高かった.地域情報の提供と,利用者同士の共感を促進する「たまん」の有効性が確認された. さらに心理的テストの指標を用いて,子育てチャットボット実証実験の事前・事後の心理状態の変化を調べたところ,半数以上の実験参加者にチャットボットの活用の効果が認められた. 一方,地域情報として要求するレベルとしては,今回は,チャットボットに必要なコーパス(文脈データ)の情報源として,自治体のホームページ情報と,自治体が提供する子育てアプリが提供する情報を用いたが,ユーザとしてはよりきめ細やかな情報を期待していることが判明した.ユーザ同士で共有した情報の利用が一番有効であったと考えられる. 今後このようなサービスを構築するにあたっては,ユーザに密接した地域情報の拡充が課題となる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発したツールの実証実験の結果について考察を行い,地域情報の提供と,利用者同士の共感を促進する「たまん」の有効性が確認された.さらにこのようなチャットボットを提供する場合,ユーザに密接した地域情報の拡充などの活用が重要となることが判明した.
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Strategy for Future Research Activity |
実施した心理的テストに関して,改善が見られた人の属性や行動の特徴並びに悪化した人の原因についての解析を行う.今後どのように実証実験を展開するかについては自治体との今後の打ち合わせ並びにCOVID-19の影響などに依存するところがある。
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Causes of Carryover |
今年度は,研究最終年度として,成果公表に重点を置く. 成果発表の学会参加費,論文投稿費などを主たる費用とする.
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Research Products
(1 results)