2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of support system of organic homestay for a historic town with insufficient acceptance mechanism
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18K18901
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
三島 伸雄 佐賀大学, 理工学部, 教授 (60281200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和久屋 寛 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (40264147)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | 民泊事業支援システム / 歴史的町並み / 伝統的建造物群保存地区 / 宿泊者の嗜好 / 宿泊施設のスペック / 手伝い者の体制 / マッチングシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、様々な施設やサービスが整っていない受け入れ基盤の弱い歴史的町並みにおいて、街全体で有機的に宿泊者の受け入れを行うことができるような民泊事業を支援するシステムを構築することを目的としている。本研究では、研究代表者が長年まちづくり支援をしてきている佐賀県鹿島市肥前浜宿を研究モデル地とし、本年度はその基本的な部分を分析・構築することを行なった。具体的には、1)観光者の宿泊嗜好の分類、2)システムの基本的考え方の整理、3)ベースとなるマッチングシステムの構築である。 1)については、これまで4年間収集してきた肥前浜宿の観光客アンケートで収集してきた観光客の宿泊嗜好を自己組織化マップ(SOM)によって分析した。その結果、肥前浜宿において宿泊したい建物タイプと受けたいサービスの嗜好を分析することができた。 2)については、研究モデル地で民宿事業を展開しようとしている2018年度に設立された肥前浜宿まちづくり公社の協力を得て、どのようなシステムが必要かについてヒアリングを行なった。そのヒアリング結果を踏まえて、システムの基本的考え方の整理を行なった。基本方針としては、受け入れ基盤の弱い歴史的町並みとして、宿泊者、宿泊施設、および手伝い者の3者マッチングを行うことになった。 3)民泊事業支援システムとして、Web上で入力操作するための基本的なプログラムを構築した。まずは、2019年4月から行われる民泊事業に合わせて、宿泊者と宿泊施設のマッチングシステムに焦点をあてて仕組みを構築しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究モデル地が2019年4月から民泊事業を行うため、急ピッチに作業を行なった。マッチングシステムの構築については、研究協力者である佐賀大学理工学部・中山功一准教授および上田俊助教の協力を得て、ほぼ基本的な仕組みはできあがった。現時点では2者マッチングなので、2者+2者で3者の関係を構築することは簡単であるが、現在、3者マッチングを行うための仕組みを検討中である。また、これまでのアンケート結果を用いて、宿泊者の嗜好を分析、宿泊者を分類することができた。また、国際会議に出席して、CNNを用いた建物評価について発表を行なった。 以上より、おおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
2者マッチングのプログラムを用いた宿泊者と宿泊者のマッチングシステムを鹿島市肥前浜宿にて実験的に展開させる。民泊事業を展開する肥前浜宿まちづくり公社および宿泊者をモニタリングし、使用における改善点を探る。また、宿泊者の嗜好の分析結果とも対応させて、マッチングシステムの改善を行う。さらに、3者マッチングシステムについて検討を行うとともに、手伝い者の具体的なデータを入れて、宿泊者、宿泊施設、手伝い者のマッチング・シミュレーションを行う。2020年度からは、その検証を行い、システムのさらなる展開と実用化を図る。
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Causes of Carryover |
Apple1台、WindowsとUnixが併用できるパソコン1台を購入し、かつ研究協力者との作業により、研究としては順調に進んだ。しかしながら、今年度は、基本的に学内におけるシステム構築作業が大半であったため、国内調査や打ち合わせなどにかかる旅費と謝金が少なくて済んだ。また、現時点では、宿泊者と宿泊施設のマッチングをすでに構築していた仕組みを利用して処理できた。以上より、今年度の使用が少なくて済み、未使用額が生じた。 一方で、研究モデル地での民泊事業は順調に進んで2019年4月26日から運用開始になった。そのため、今後は手伝い者を含めた3者マッチングプログラムを新たに開発し、もって有機的支援システムを構築する。すなわち、2019~2020年度にかけて、システムの本格運用に向けた実験とモニタリングを行い、実効性の高いプログラムを構築する。次年度(2019年度)以降は、そのための現地でのシステム設定やそのモニタリングに時間と謝金に用いる予定であり、かつ、それらの成果を学会などで発表する予定である。
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Research Products
(6 results)