2020 Fiscal Year Annual Research Report
New horizon of adsorptive separation engineering opened up by gate-type adsorbents
Project/Area Number |
18K18975
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮原 稔 京都大学, 工学研究科, 教授 (60200200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平出 翔太郎 京都大学, 工学研究科, 助教 (60853207)
田中 秀樹 信州大学, 先鋭領域融合研究群先鋭材料研究所, 教授(特定雇用) (80376368) [Withdrawn]
平塚 龍将 京都大学, 工学研究科, 特定助教 (70806744) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | MOF / PSA / 破過曲線 / 自己熱補償能 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゲート吸着型MOFの優れた自己熱補償能およびCO2分離能を精緻に解析し,その特徴を最大限に発揮させるための新たな操作論・設計論確立を指向した研究開発に着手した。本年度は,昨年度までに構築・検証してきた破過曲線装置を用いて,ゲート吸着型MOFの一種であるELM-11のCO2/CH4混合ガスに対する破過曲線測定を実施した。Arガスでパージした吸着カラムにCO2:CH4 = 1:1混合ガスを流入させたところ,流出ガスからはArガス置換完了直後からCO2がある一定量検出されてしまうことが明らかとなった。これは装置の不備ではなく,ELM-11がステップ状の吸着等温線を示すがゆえの現象であることが明らかとなり,そのCO2分率はゲート吸着圧と吸着カラムの全圧の比となることを突き止めた。このslipping-offと我々が呼称している現象は,ELM-11を用いたCO2/CH4分離システムからは純CH4ガスを得ることができないことを意味している。それを解決するために,ELM-11を充填したカラム後方に,I型吸着剤であるHKUST-1を充填したカラムを接続した2段式吸着カラムシステムを考案し,本システムからは純CH4ガスが得られることを破過曲線測定より実証した。加えて,数値シミュレーションから,2段式吸着カラムシステムが,HKUST-1のみを使用した従来式のPSAプロセスに比べて,同流量の製品CH4を得るのに必要な吸着塔サイズおよび原料流量がそれぞれ69%および62%削減可能であることを明らかにした。つまり,ELM-11の自己熱補償能およびCO2分離能はslipping-offという欠点を補ってあまりあるほど優れた特性であり,ゲート吸着型MOFが現行の吸着分離システムを刷新し得る可能性を見出した。以上の成果はNature姉妹誌であるNature Communicationsに掲載された。
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