2018 Fiscal Year Research-status Report
3次元組織中の空間的全細胞核酸解析を目指す基盤技術開発
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18K19419
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
洲崎 悦生 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (10444803)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 多階層オミクス / 組織透明化 / 3次元イメージング / 核酸解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
組織透明化と光学顕微鏡観察を組み合わせ、セルオミクスとの統合のため組織内全細胞位置を3次元的に記録した後に、各細胞内の遺伝子発現やゲノム状態のプロファイルを検出する(ポスト核酸解析)を可能とすることを目指した基盤技術の検討を行った。 1) 固定・透明化法の改良により、透明化の高度化に成功するとともに(Tainaka et al. Cell Rep 2018)、核染色剤による3次元染色を組み合わせることにより、保存された核酸(核DNA)の可視化を3次元的に行うことに成功した。2) 3次元組織の透明化と核酸の3次元的保存を両立させ、ライトシート顕微鏡を用いた3次元観察を容易にするために、透明化組織全体を人工ゲルに包埋し、核酸をゲル内にキャプチャーする方法の確立に成功した。3) 透明化された3次元組織の全細胞位置記録手法の検討のため、透明化された組織を核染色剤でラベリングし3次元観察することを試みた。その結果、マウス脳のほかマーモセット脳の透明化、核DNA可視化および全脳イメージングに成功した(Tainaka et al. Cell Rep 2018)。また、研究代表者が整備した世界最高速の透明化組織用マクロライトシート顕微鏡を用いて、2) で検討したゲル包埋後の透明化組織の3次元観察にも成功した。さらに、画像解析を用いた核座標位置の検出を目的として、抗体でよりスパースに核をラベルしたサンプルと撮像データを準備し、核検出アルゴリズムの構築を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に沿って、1) 固定・透明化法の改良、2) 核酸のゲル内キャプチャー法の検討、3) 透明化された3次元組織の全細胞位置記録手法の検討に関して一定の成果が得られており、概ね順調に推移していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
透明化組織での核検出法については概ね基礎検討が完了しているが、未だ3次元的に均一に核を染色し検出することの困難さが明確となっているため、本年度は特に核染色をより高効率化する技術開発を中心に進める。また、現在のゲル包埋組織はタンパク質等の夾雑物を含むため、よりpureな拡散のみをキャプチャーするゲル包埋法を検討する。また最終的には、透明化組織より核酸を抽出し、抽出核酸の定量的PCRやシーケンス解析の可能性を検討する。以上の研究計画を、研究代表者及び本研究予算で今年度中に雇用予定のテクニカルスタッフを中心に遂行する。
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Research Products
(25 results)
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[Journal Article] Novel 3D analysis using optical tissue clearing documents the evolution of murine rapidly progressive glomerulonephritis2019
Author(s)
Puelles VG, Fleck D, Ortz L, Papadouri S, Thiago T, Boehner A, van der Wolde JW, Vogt M, Saritas T, Kuppe C, Fuss A, Menzel S, Klinkhammer BM, Mller-Newen G, Heymann F, Decker L, Braun F, Kretz O, Huber TB, Susaki EA, Ueda HR, et al.
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Journal Title
Kidney international
Volume: AOP
Pages: AOP
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Chemical Landscape for Tissue Clearing Based on Hydrophilic Reagents.2018
Author(s)
Tainaka K, Murakami TC, Susaki EA, Shimizu C, Saito R, Takahashi K, Hayashi-Takagi A, Sekiya H, Arima Y, Nojima S, Ikemura M, Ushiku T, Shimizu Y, Murakami M, Tanaka KF, Iino M, Kasai H, Sasaoka T, Kobayashi K, Miyazono K, Morii E, Isa T, Fukayama M, Kakita A, Ueda HR
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Journal Title
Cell reports
Volume: 24
Pages: 2196-2210
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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