2019 Fiscal Year Annual Research Report
Research aimed at developing a new cancer immunotherapy
Project/Area Number |
18K19466
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
木村 元子 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (00345018)
|
Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
|
Keywords | CD69 / がん免疫療法 / 腫瘍浸潤T細胞 / 疲弊 / 抗腫瘍効果 / CD69リガンド / Myl9/12 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「CD69」というT細胞の動態システムに重要な働きをする分子に着目し、新しい抗腫瘍免疫療法の確立を目指すものである。腫瘍抗原特異的なT細胞のほとんどがCD69を発現しており「CD69を発現する腫瘍特定的なT細胞は、腫瘍内に留まることで、継続的に腫瘍抗原の刺激を受け取った結果、疲弊が誘発されるのではないか?」との仮説のもと解析を行ってきた。具体的には、CD69欠損担がんマウスモデルや、CD69抗体単独と、免疫チェックポイント阻害剤併用時の腫瘍浸潤T 細胞の性質、機能の違い、抗腫瘍効果について解析を進めた。その結果、複数のがん種において、CD69の機能阻害による抗腫瘍効果を確認し、またその抗腫瘍効果には、がん種による特異性があることがわかった。さらには、抗PD1抗体と抗CD69抗体の併用による増強効果がみられることも判明した。 つづいて、抗腫瘍免疫応答の標的としてのCD69の機能メカニズムを明らかにする目的で、CD69の腫瘍内リガンドに着目する研究を行った。CD69分子は細胞表面に発現する膜タンパクであり、なんらかのリガンドが存在することが想定される。その候補として、炎症組織におけるCD69のリガンドとして、私たちが同定したMyosin light chain 9, 12a, 12b(Myl9/12)について解析したところ、腫瘍の実質に発現が見られることが判明した。そこでCRISPR-Cas9システムを用いてMyl9/12欠損腫瘍株等を作製し、その免疫原性と腫瘍組織内におけるCD69リガンドとしての役割について、現在解析中である。 以上の研究を通じて、抗腫瘍免疫応答における標的としてのCD69の重要性と、その作用メカニズムについて新たなメカニズムを明らかにした。この研究成果は、新たながん免疫療法の確立に貢献すると考えられる。
|
-
-
-
-
-
[Presentation] CD69 Biology and Pathology2020
Author(s)
Kimura M.Y., Koyama-Nasu, R., Mita Y., Hayashizaki, K. and Nakayama T.
Organizer
11th International Symposium of IFReC, Immunology at the Forefront
Int'l Joint Research / Invited
-
-
-
-
-