2018 Fiscal Year Research-status Report
細菌はがんを起こすのか? 代謝を指標とした「細胞-細菌叢インタラクション」の解明
Project/Area Number |
18K19629
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 信博 東北大学, 歯学研究科, 教授 (60183852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷲尾 純平 東北大学, 歯学研究科, 講師 (20400260)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | がん細胞 / リアルタイム代謝測定 / pHスタット / 酸素分圧可変チャンバー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、応募者らが新規開発した「細胞リアルタイム代謝測定システム」を用い、口腔内in vivo 環境を模した細胞代謝測定法の確立を行った。本測定システムは、培養細胞を緩衝液に懸濁し、やさしく攪拌しながら、細胞が基質を代謝するに伴って産生する酸(乳酸や炭酸)を任意の一定pH 環境で自動滴定することで代謝を定量モニターできるが、今回、これを酸素分圧可変チャンバーに入れることで、任意の酸素分圧(0~21%)にて代謝活性を定量モニターすることが可能となった。がん組織内部は血管新生が追いつかないことから酸素分圧が低いと報告されており、がん組織のin vivoでの代謝環境を再現することががん細胞代謝研究に不可欠であった。 これまでも、代謝活性から推定する方法が開発され、実機として市販されてきたが、これらはpHの低下から癌細胞の代謝活性をモニターするものであり、細胞培養液の緩衝能力のために定量性がないこと、さらに実験中にpHが低下するため、その結果として細胞培養液のpH低下が細胞代謝に影響を及ぼすなど、問題が多かった。また、既存の方法は培養した細胞をそのまま培養プレートに付着させたままで代謝測定を行うため、細胞表面から細胞底面の付着面にかけて代謝基質や酸素の濃度のグラデーションが生じうること、また、攪拌していないためそもそも代謝基質や酸素、さらには代謝産物の濃度の不均一化が生じやすい。本システムは、これらの欠点を解消し、代謝活性の定量性とリアルタイムモニター能を高めることとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のようにほぼ計画通りに研究が進んでいることから、「おおむね順調に進展している」と判断した。」
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Strategy for Future Research Activity |
細胞代謝に及ぼす細菌因子の影響:確立したリアルタイム代謝測定システムを用いて、口腔扁平上皮癌細胞(HSC-2 など)と正常上皮細胞(HaCaT など)の代謝をモニタ ーし、細菌因子(細菌、細菌代謝産物、細菌構成物)を共存させ、代謝への影響を見る。とくにがん病巣細菌叢に多いフゾバクテリウム、健全部に多いレンサ球菌の影響については詳細に検討する。さらに、口腔細菌叢を模して複数の細菌を共存させ、その影響を検討する。 次いで、代謝中の細胞について、解糖、ペントースリン酸回路、クエン酸回路、アミ ノ酸代謝を対象にメタボローム解析(CE-TOFMS装置)を行い、代謝の変容を解析する。
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Causes of Carryover |
当初購入を予定していた「東亜DKK自動滴定装置・AUT-701」の仕様が変更され、本研究に使用することが不可能となったため購入を控え、旧型で既存の類似装置を流用することで本研究を進めた。当該助成金は翌年分として請求した助成金と合わせて、既存の類似装置の部品や、各種がん細胞株および正常細胞株の購入に当てる。
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Research Products
(25 results)
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[Presentation] Profiling of Microbiota of Baby-Drinks after Drinking with Artificial Nipples2018
Author(s)
Wakui A, Sano H, Aihara H, Kawachi M, Takahashi A, Washio J, Abiko Y, Mayanagi G, Ishiguro K, Yamaki K, Takahashi N, Sato T
Organizer
JADR2018/ 66th Japanese Division Meeting 2018
Int'l Joint Research
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