2021 Fiscal Year Annual Research Report
Do Bacteria Cause Cancer? Elucidation of "cell-microbiome interaction" using metabolism as an indicator
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18K19629
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 信博 東北大学, 歯学研究科, 教授 (60183852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷲尾 純平 東北大学, 歯学研究科, 講師 (20400260)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | 細胞代謝 / 代謝阻害 / ジンジバリス菌 / ジンジパイン |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、これまでの研究によって判明したPorphyromonas gingivalis(Pg)の持つ正常上皮細胞と正常線維芽細胞の細胞代謝(グルコース代謝)を阻害する細菌因子の同定をさらに進めた。細菌種として、Pg標準株(ATCC 33277)、及びそのジンジパイン欠損株(KDP136)を用いた。それぞれ細菌を通法によって嫌気培養し、培養上清から分子フィルターを用いて、分子量50kDa以上の画分、同50~30kDaの画分、同30~10kDaの画分、同10kDa以下の画分を調整した。これらの画分を、細菌培養用培地をコントロールとして正常上皮細胞と共存させ、pHスタットを用いたリアルタイム代謝測定システムを用いてグルコース代謝活性への影響を定量測定した。 その結果、分子量50kDa以下の画分に細胞代謝阻害活性が集中しており、当初、予測されていたジンジパインとは異なった分子である可能性が示された。さらに本画分を濃縮後、SDS-PAGEで泳動したところ複数のタンパク質バンドが確認された。そのバンドを切り出し、解析したところ、複数のPg由来タンパク質が候補としてあげられた。現在、活性タンパク質の最終的な同定段階に入っている。 また、Pg以外の口腔細菌である、Prevotella intermedia、Fusobacterium nucleatum、Streptococcus mitis、Veillonella atypicaについても、細胞グルコース代謝活性への阻害活性を調べたが、いずれも活性はなかった。これらの結果から、Pgの分泌タンパク質がジンジパインで修飾され、タンパク質断片群として細胞のグルコース代謝能を阻害するといったPg特異的なものと考えられた。
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Research Products
(20 results)