2018 Fiscal Year Research-status Report
自己組織化アンカーおよびトリガー分子の同定と人工的器官形態制御法の開発
Project/Area Number |
18K19634
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 卓史 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (90585324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 はな 東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (30385827)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 器官形成 / 発生 / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
組織内に存在する幹細胞を応用した再生研究が、歯科医学研究の中でも注目を集めている。組織障害や損傷部に幹細胞を用いた治療を考えた場合、患部に応用した幹細胞が必要な細胞集団に分化し、元の組織へ再構築することが現在の再生療法である。この手法で歯胚、涙腺などの再構成器官が機能的に再生させることに成功している。しかしながら、再生させる器官の形態、構造や大きさなどの制御する方法は確立されていない。本研究では、器官形成のモデルとして歯胚および唾液腺を用い、上皮細胞を酵素処理にて個々の細胞に分離し、培養すると自己組織化する培養系を利用する。 自己組織化する細胞集団からsingle-cell RNAシークエンスライブラリーを構築し、得られたデータをこれまでに報告されている器官形成過程での組織の分化マーカー遺伝子の発現パターンをベースとして、コンピューター上で器官マッピング構築し完成させる。本研究の目的は、マッピング構築されたSingle-cell RNAシークエンスデータを解析し、細胞外基質蛋白とそれらのインテグリンなどの受容体ならびに細胞増殖や分化誘導に関わる分泌系増殖因子とそれらの受容体に注目し、構造的アンカー分子と組織分化のトリガー分子の同定を目指す。 本年度は発生途中の歯胚の細胞を個々の細胞に分離し、single-cell RNA-seq解析を行った。single-cell RNA-seqの結果から、上皮のマーカであるサイトケラチン5,サイトケラチン14を発現している細胞をコンピューター上で抽出し、それらの細胞が発現している遺伝子発現解析を行った。その結果、これまで報告されているようなアメロブラスチン、アメロゲニン、エピプロフィンなどのエナメル芽細胞マーカー遺伝子が発現しており、発生歯胚から得られたsingle-cell RNA-seqの結果が信頼できるデータであると判断した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
歯胚上皮のsingle-cell RNA-seq解析を行い、今後の解析に使用できるデータが得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度、歯胚上皮のsingle-cell RNA-seq解析を行い、その結果からこれまで報告されているマーカー遺伝子の発現が検出されていることから、得られたsingle-cell RNA-seqデータは、今後の解析に使用できることが確認された。single-cell RNA-seq解析で、細胞外基質蛋白とそれらのインテグリンなどの受容体ならびに細胞増殖や分化誘導に関わる分泌系増殖因子とそれらの受容体に注目し、それらの細胞がどのような分化マーカ遺伝子を発現しているかをリスト化し3Dマッピングを試みる。
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Causes of Carryover |
本年度にアメリカ国立歯科顎衛生研究所のDr Hoffmanのところに伺う予定であったが、先方のラボがレビュー審査を行うことになったため、渡米せず計上していた旅費分が次年度使用額となった。
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Research Products
(1 results)