2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of functional enhancer screening system by integrating genome editing technology with single-cell RNA-seq
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18K19636
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北條 宏徳 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (80788422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大庭 伸介 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (20466733)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | エンハンサー / ゲノム編集 / 一細胞解析 / 骨芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
個体発生における細胞の運命決定において、マスター転写因子群が中心的な役割を果たす。近年の次世代シーケンサーを用いた解析により、マスター転写因子群は、ゲノム結合部位におけるエンハンサー活性を介して、細胞種特異的な遺伝子発現を制御することが明らかになってきた。しかしながら機能的に重要なエンハンサー領域を明らかにする試みは十分に検討されてこなかった。そこで本研究では、骨芽細胞をモデルに、ゲノム編集技術と一細胞RNA-seq解析技術を融合することで、機能的エンハンサー群を同定するスクリーニング法の構築を目指した。まず、Cas9を恒常的に発現する骨芽細胞株とエンハンサー群を標的とするガイドRNAウイルスライブラリーを作製した。本ライブラリーのウイルス力価を最適化してCas9骨芽細胞に感染させることで、各細胞で異なるガイドRNAを発現させた。得られた細胞集団に対して、10x Genomicsシステムを用いた一細胞RNA-seq解析を行うことで、各細胞におけるGenotype(エンハンサー欠損部位)と、Phenotype(遺伝子発現プロファイル)の同時検出を行った。本スクリーニングにより、骨芽細胞の分化を制御する可能性があるエンハンサーを同定し、骨芽細胞エンハンサー(Ob-Enh)と命名した。レポータトランスジェニックマウス解析の結果、Ob-Enhは、骨芽細胞特異的に活性することが明らかになった。また、エンハンサーノックアウト解析の結果、Ob-Enhは骨芽細胞分化に必要であることが明らかになった。以上より、エンハンサースクリーニング解析を通して、新規骨芽細胞エンハンサーを同定した。本スクリーニング系は、エンハンサーを介する転写制御機構の解明に有用であることが示された。
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