2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K19690
|
Research Institution | Niigata College of Nursing |
Principal Investigator |
藤田 尚 新潟県立看護大学, 看護学部, 准教授 (40278007)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 珠織 (藤澤珠織) 青森中央学院大学, 看護学部, 講師 (70595694)
巖城 隆 公益財団法人目黒寄生虫館, その他部局等, 研究員 (70263473)
針原 伸二 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (40198932)
小池 潤 大東文化大学, スポーツ健康科学部, 特任実習助手 (00323345)
|
Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
|
Keywords | 感染症 / ホモ・サピエンス / 東アジア疾病史 / 看護史 / 医学史 / ゲノムサイエンス / 古代細菌抽出 / 感染症ルート |
Outline of Annual Research Achievements |
古代人の短命さは、各種の感染症・寄生虫症が主因となっていることは疑いが無い。ホモ・サピエンスが東アジアに移入してきた時期については諸説あるが、いずれにしても感染症は宿主(この場合ヒト)の移動と極めて密接に関係しているはずである。従って本研究課題では、ホモ・サピエンスの北回りルートおよび南回りルートを想定し、その研究対象国として、モンゴル国とカンボジア国に資料調査依頼と共同研究を依頼し、研究を進めてきた。モンゴル国においては、結核及びトレポネーマ症と思われる骨資料を確認し、共同研究文書を作成し、現在、研究代表者の研究機関に保管中である。看護史の復元についても、日本での文献調査以外に、現地の医学・看護学研究者との交流とアドバイス、現地での文献調査等が必要であり、今後積極的に進めていく。 同個体からの起因菌のゲノムを抽出すること、従来的手法によるレントゲン写真および肉眼所見による鑑別診断を進めること、さらなる鑑別診断法が無いか検討中である。 また、年度末の2月中旬には、カンボジア国芸術文化省を訪問し、同省局長およびカンボジア王立文化芸術大学長と面談し、今後の研究協力の依頼を行い良好な関係構築に踏み出せている。一方、3月に予定していたモンゴル国立大学での研究は、Covit-19の世界的蔓延によって、中止せざるを得なくなった。今後も、様々な障害に柔軟に対処しつつ、研究の着実な進展を期していく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の進捗には鋭意努力をしているが、海外調査を行うとすれば、学生の夏季休暇、春季休暇期間に行わざるを得ず、時間的制約に影響されている部分が大きい。 また、ゲノムサイエンスは、昨今生物科学や医学の分野で花形であることもあり、当初の予定通りの進行に遅延を来している。これは、特に古代のゲノムを扱う研究者が非常に限られることいよる。このような状況を打開するために、種々の角度から次善の策を講じているところである。 また、細菌の鑑別ということは、必ずゲノムサイエンスに頼る必要があるのかも含めて、新たな研究方法を模索中であり、今年度はその結果を出せると思われる。 Covit-19の世界的蔓延も、研究遅延に追い打ちをかけており、大学の封鎖、遠隔授業の準備等に多くの時間を取られていることも原因の一つである。
|
Strategy for Future Research Activity |
海外調査の回数を増やすことが基本的に必要であるが、Covit-19が蔓延している現在、先の見通しが立てづらいのは止む終えない。その中において、現在、モンゴル国から借用中の病変骨の分析を中心に研究を進める。ゲノム解析については、古人骨を専門としている研究者に依頼する方向性と、現代の各種ゲノムを資料としている研究者との連携も視野に入れている。本研究は、ヒトそのもののゲノムではなく、病原体のゲノム検出を目標とする。その場合、病原体のゲノムのコンタミネーションはほとんど考慮する必要はない。なぜなら結核菌もトレポネーマ菌も、生態を離れて長時間は生存不可能であるからだ。更には光学顕微鏡を使用しての細菌同定、血液の抽出も考慮し、既にその計画を立てたところである。 看護史の面からも、現地での調査や聞き取り、文献(日本には無い)を調べていくことが必要である。 いずれにしても、Covit-19が収束することが海外調査、国内出張の前提となることから、推移を見守って、できる研究から取り掛かって進めていくことが肝要と考える。
|
Causes of Carryover |
海外研究が主体だったため、2年の計画では研究遂行に無理があると判断し、3年間の研究とした。また、Covit-19の世界的蔓延によって、年度末の海外調査等、出張を伴ういくつかの資料調査等が不可能となったため、次年度使用額が生じた。 本年度は、さらに計画的に研究を遂行し、成果を上げるつもりであるが、Covit-19の収束状況によっては、大幅な研究の制約を受けることも覚悟し、海外研究者との協力関係維持に務め、研究を遂行する体制を確保していく。
|
Research Products
(6 results)