2018 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋の成長を促すアミノ酸や低分子ペプチドの探索と同定
Project/Area Number |
18K19764
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
川中 健太郎 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (80339960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
檜垣 靖樹 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (10228702)
重森 裕 福岡大学, スポーツ科学部, 准教授 (30465273)
越中 敬一 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 准教授 (30468037)
上原 吉就 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (70373149)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | 卵白タンパク質 / アルブミン / ラット / 骨格筋 / 発育成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、実験動物を用いて「卵白タンパク質が発育による骨格筋の成長を促す」との知見を得ている。しかし、卵白タンパク質については筋の成長促進作用を有するロイシンの含有率が決して高くない。そこで、「卵白タンパク質が消化されて生じるアミノ酸(ロイシン以外)や低分子ペプチド(アミノ酸2-3残基)のなかに骨格筋の成長を促す因子が存在する」との可能性を考えている。ところで、卵白タンパク質は異なる種類のタンパク質の複合体であり、全体の60%をアルブミンタンパク質が占める。2018年度は、「卵白タンパク質の主成分であるアルブミンのなかに発育成長促進因子が含まれる」との仮説に基づき、「卵白タンパク質による成長促進作用がアルブミンによって再現できるか」検討した。 発育成長期である4週齢の雄性ラットにカゼイン,アルブミンもしくは卵白タンパク質をタンパク質源として含む食餌を摂取させながら14日間飼育した.その結果、カゼイン群と比較してアルブミンや卵白タンパク質群では体重変化量がそれぞれ2.8倍ならびに3.4倍大きかった。さらに,アルブミン群に比べて卵白タンパク質群の体重変化量は1.2倍大きかった。また,タンパク質摂取量1gあたりの体重増加量を示すタンパク質効率(PER)を算出したところ,PERは卵白タンパク質,アルブミン,カゼイン群の順に高い値を示した.また,骨格筋重量についても体重やPERと同様な傾向が示された。 これらの結果より,1) カゼインに比べて卵白タンパク質やアルブミンは発育成長促進効果が高いこと、2) 卵白タンパク質が有する発育成長促進効果はアルブミンだけでは説明できないことが明らかになった。つまり,カゼインには含まれない発育成長促進因子がアルブミンに含まれる可能性、さらに、アルブミンには含まれない発育成長促進因子が卵白タンパク質に含まれる可能性が考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「卵白タンパク質の主成分であるアルブミンのなかに発育成長促進因子が含まれる」との仮説を支持する知見を得ることはできなかった。しかし、アルブミンと卵白タンパク質を比較することで発育成長促進因子を同定しやすくなったと考えられる。その点を踏まえて、「おおむね順調に進展している」と判定した。
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Strategy for Future Research Activity |
カゼイン、アルブミンおよび卵白タンパク質を一過性に投与したときの骨格筋中のアミノ酸やジペプチド濃度をメタボローム解析で網羅的に分析する。これによって、発育成長促進因子の候補物質を探索する。現在、投与条件等について計画を練っている。
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Causes of Carryover |
2018年度にメタボローム解析を開始する予定であったが、条件等の設定のために2019年度にずれ込んだ。また、リアルタイムPCR機器の購入を2019年度に延期した。そのために次年度使用額が生じた。 2019年度にはメタボローム解析の委託を行うとともに、リアルタイムPCR機器を購入する。また、重水を用いた筋タンパク質合成速度測定(ヒト)の確立を図るために海外の研究室を訪問して必要な情報を入手する予定である。そのための物品費や旅費として研究費を使用する。
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Research Products
(6 results)
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[Book] 運動生理学2019
Author(s)
麻見 直美、川中 健太郎
Total Pages
200
Publisher
羊土社
ISBN
978-4-7581-1356-4