2018 Fiscal Year Research-status Report
適応的焦点多重化による立体プロジェクションマッピングの輻輳調節矛盾解決
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18K19817
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩井 大輔 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (90504837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加嶋 健司 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (60401551)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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Keywords | プロジェクションマッピング / 輻輳調節矛盾 / 焦点可変レンズ / 高速プロジェクタ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、ユーザが装着するメガネ型光学系の焦点距離変調により、実空間の投影面の虚像を提示立体像の奥行きへと移動させ、同期してプロジェクタより立体像を投影表示する技法の開発と、その有効性および性能限界を明らかにすることが目的となっている。2018年度は、ハードウェアおよびソフトウェア実装を行い、テストパターン投影により、提案原理が所望の動作を行うことを確認した。具体的には、高速に2値画像を投影できるプロジェクタ、液晶シャッタ2枚、および焦点可変レンズ2枚を同期させ、左目と右目に視差画像を呈示するシステムを構築した。視差に対応する呈示距離に応じて焦点調節を行うプログラムを作成し、同レンズを通して投影結果を合焦距離を変えつつ撮影したところ、異なる距離で合焦していることが確認できた。また、被験者を募って実施したインフォーマルな実験においても、提案法を適用したほうが眼精疲労が少ないという傾向が確認できた。 焦点可変レンズを高速制御することで、より安定した画質で画像呈示が可能となるため、スパース最適制御に基づく合焦距離制御を導入するシステムについて検討を行った。その結果、1/40秒に異なる3距離に合焦する場合は、最適制御しない場合と比べて有意に高速な合焦距離制御が可能であることが確認できた。ただし、これ以上俊敏な合焦距離制御については検証ができていない。上記の結果をまとめた論文を英文論文誌へと投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
原理検証のシステムのハードウェア・ソフトェア両面での構築に成功し、提案手法が適切に動作することを確認できた。特に、インフォーマルながらも被験者実験によって、提案法が輻輳調節矛盾を解消したことにより眼精疲労が少なくなった、という傾向が確認できたことから、提案法の有効性が示唆されたことは重要であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在構築済みのシステムは原理検証フェーズのものであり、プロジェクションマッピングの実応用に耐えうる画質を提供できていない。今後は、階調数および色数を向上させたシステムの構築を行う。また、当初目的の1項目である投影像クラスタリングについて、未だ研究を開始できてはいないため、着手していく。すなわち、可変焦点レンズの合焦距離制御が適切に動作するのが、現状では1/40秒に3距離までと制約があるため、目標となる投影映像をその深度情報に応じて3レイヤーの映像へとクラスタリングする前処理が必要となる。今後はこのようなクラスタリング技術の開発も着手する。
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Causes of Carryover |
今年度は原理検証が主たる目的であったため、代表者が既に保有する実験機材を組み合わせることでシステム構築することができた。次年度以降は、プロジェクションマッピング実応用に耐えうる画質のシステム構築が必要となるため、今年度余剰分と次年度助成分の合算された金額が必要となる予定である。
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Research Products
(1 results)