2018 Fiscal Year Research-status Report
2流路1槽型新規アナモックスリアクターによるアンモニア排水の処理
Project/Area Number |
18K19874
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
池本 良子 金沢大学, 地球社会基盤学系, 教授 (40159223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 了 金沢大学, 地球社会基盤学系, 准教授 (40422456)
松浦 哲久 金沢大学, 地球社会基盤学系, 助教 (90771585)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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Keywords | アナッモックス / 2流路1槽型 / 窒素除去 |
Outline of Annual Research Achievements |
アナモックス細菌は,アンモニアと亜硝酸を直接窒素ガスに転換できる微生物であり,本微生物を排水の窒素除去に応用することにより,従来型の消化脱窒法と比較すると,大幅な曝気エネルギーの削減と余剰汚泥の削減により省エネルギーな処理となることが期待できる.しかし,1槽型の処理では,好気性のアンモニア酸化細菌と嫌気性のアナモックス細菌の共存系を維持することが困難である.そこで,本研究では,2流路1槽型アナモックスリアクターにより,両者の共存系を維持する方法を提案し,室内実験装置による処理実験を行った.まず,2流路装置を作成し,槽内に設置したフィルター表面へのにアナモックス細菌の集積に成功した.別にスポンジ担体にアンモニア酸化細菌をスポンジ内部への集積を試みたが,アンモニア転換率は50%程度であった.2流路リアクターにアンモニア酸化細菌をスポンジごと添加することにより,一掃型アナモックスリアクターのスタートアップを行うことができた.スポンジを添加する前に負荷を上昇させる方法と,添加後に負荷を上昇させる方法の2種類のスタートアップを試みたが,両者に大きな差は認められなかった.微生物解析の結果,フルタ―とスポンジの両者にアナモックスとアンモニア酸化細菌が共存が確認できた.負荷を段階的に増加させることにより,反応速度を増加させたが,反応速度は既報値の範囲内であるとはいえ,それ以上の向上を行うことができなかった.. そこで,フルタ―の素材を炭素繊維に変更して,アナモックスの集積を試みた.現在のところ,フィルターの厚みが不足していたため,アナモックス細菌を集積することができなかったので,装置の改良をおこなっているところである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
提案するリアクターによる,処理実験をすでに行い,部分消化とアナモックスが同時に進行し,微生物の存在も確認できたことからおおむね順調に進展しているが,反応速度が思ったより上がらなかったことから,微生物付着単体の変更を行う計画である.
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Strategy for Future Research Activity |
提案するリアクターにより,部分消化とアナモックスが同時に進行し,微生物の存在も確認できた.しかし,反応速度は既報値の範囲内とはいえ,それ以上の向上は認められなかったことから,処理槽に充填する膜の種類を変更して検討を行う予定である.具体的には,シート状の炭素繊維を加工してカラム上にして,フィルターとして用いることを検討している.
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Causes of Carryover |
装置作成のための機材やポンプ等を購入する予定であったが,実験を事前に開始したために,当該年度は購入しなかった.次年度の装置改良を行うために,購入予定である.
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