2018 Fiscal Year Research-status Report
東部モンゴル新発見の突厥・ウイグル期の定住遺跡に関する歴史・考古学的調査研究
Project/Area Number |
18KK0017
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大澤 孝 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 教授 (20263345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 欧志 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 研究員 (50508364)
大谷 育恵 京都大学, 人文科学研究所, 特別研究員(PD) (80747139)
齊藤 茂雄 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 日本学術振興会特別研究員 (70634690)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2022-03-31
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Keywords | 東部モンゴル / 突厥碑文 / 古代遺跡 / タムガ / 岩壁銘文 / 日蒙合同調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年10月16-22日にはロシア連邦サハ共和国の北東連邦大学を訪問し、サハ共和国に残された古代テュルク語およびモンゴル語の語彙の蒐集を兼ねて、国際研究集会に参加し、これまで大澤が最近のモンゴル高原における古代テュルク時代の碑文遺蹟に関わる調査成果について、報告と共に、講演を行った。 2018年11月14-20日にモンゴル科学アカデミー歴史考古学研究所で12月で切れる日蒙合同調査の協定書の今後の4年間における協定書継続について協議を行い、双方、協定を継続することでまとまった。また同研究所の附属博物館やモンゴル国家歴史博物館を訪問し、古代テュルク時代の出土遺物や古代テュルク語銘文について資料蒐集を行った。 2018年12月には、モンゴル科学アカデミー歴史・考古学研究所において、今年度の6月中研究協力者として参加した東部モンゴルでの発掘調査及び表面調査について、報告を行った。 2019年2月24日には、愛媛大学で実施された北アジア調査報告会において、モンゴル科学アカデミー歴史・考古学研究所と今年度に東部モンゴルで実施した発掘調査及び表面調査の実施状況について、報告を行った。 2019年3月22日~31日にモンゴル科学アカデミー歴史考古学研究所を訪問し、日蒙合同調査に関する協定書を締結した。そして、2019年度における日蒙合同発掘調査について、協議を行い、具体的な調査プランを策定した。また東部モンゴル高原のヘンテイ県、さらには東ゴビ県からゴビサンブル県、トゥブ県で、古代突厥時代の石人遺跡や古代テュルク時代の碑文やタムガなどの表面調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本科研は2018年10月に採択結果が判明した。しかし、その時期は、モンゴル高原では発掘調査に向かない時期であり、その後、訪問した際には、現地研究所付属の博物館や国家博物館に所蔵されていた遺物や碑文調査を行ない、関係文献の蒐集を実施した。ただこうした不利な状況ではあったものの、今後の日蒙合同調査に関わる協定書を無事、締結できたことは、今後の調査計画を策定する上で大きな進展を見たと評価できよう。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度では、4月末から5月初旬にかけて、ロシア連邦ハカス共和国の各地で現地の研究者と共同、突厥時代以降の文字文化と歴史史料に関する研究の一端として、古代テュルク語の岩壁銘文および定住遺跡の表面調査を実施する予定である。 また、本年9月5~21日には、研究分担者および研究分担者と綿密な協議を行いつつ、モンゴル科学アカデミー歴史・考古学研究所考古学センターとの国際共同発掘調査を行う予定である。その対象は、これまで大澤が推進してきた東部モンゴルのスフバートル県の古代テュルク時代の追悼遺跡や定住遺跡の発掘調査、これらに関係すると思われる周辺の碑文や遺跡についてであり、これに並行して表面調査も実施する予定である。 また、この調査後には、出土遺物に関しては放射性炭素年代の測定を行い、当該遺跡の年代を割り出し、今後の発掘計画の指針にしたいと考える。また発掘成果については、若手の研究分担者や研究協力者からの協力を得つつ、またモンゴル側とも綿密に協議しながら、研究集会や報告会などで積極的に発信したいと考えている。
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Causes of Carryover |
当初の予定では2018年9月中に東部モンゴル高原においてスフバートル県テブシンシレー郡での定住遺跡に関する発掘調査および関係遺跡の表面調査を実施する予定であったが、交付が10月中になったため、寒冷期に入るモンゴルでは発掘調査を行うには不向きであったというモンゴル国での事情によるところが大きい。 それゆえ、2018年度の使用残額と2019年度使用額については、本稔月に実施予定の東部モンゴルのスフバートル県トゥブシンシレー郡のドンゴインシレー遺跡の発掘調査とこれに関係するデルゲルハン山近郊の基壇遺跡の試掘作業に充当する予定である。また同時に行う付近の関連遺跡の表面調査代や出土遺物の放射性炭素による年代分析の委託費用や現地の考古学関連の資料蒐集代、また報告書の作成代などに使用する予定である。
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[Presentation] Mongol-Yaponi Khamtarsan Kheerijn Shinzhilgeenij Angijn Ulz Golin Khundijd Khijsen Arkheologijn Khjguul, Maltlaga SUdalgaani Ur’dchilsan Ur Dungees2018
Author(s)
L. Ishtseren, K. Kiyama, T. Sasada, M. Sagawa, T. Osawa, L. Munkhbayar, Ts. Amgalantugs, B. Erdene,
Organizer
Mongolin Arkheologi-2018, Ulaanbaatar ikh surgal,December 2018, Ulaanbaatar
Int'l Joint Research
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