2022 Fiscal Year Research-status Report
都市部における共生の危機と「内発的ソーシャル・ミックス」に関する仏米比較研究
Project/Area Number |
18KK0054
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
森 千香子 同志社大学, 社会学部, 教授 (10410755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 一基 東洋大学, 社会学部, 准教授 (00822420)
南川 文里 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (60398427)
宮田 伊知郎 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (80451730)
菊池 恵介 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 教授 (70536945)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2024-03-31
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Keywords | 都市 / 共生 / 移民・エスニシティ / ソーシャル・ミックス / 貧困 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、主に、前年度に行った予備調査のデータの整理・分析と、フランスならびに米国においてソーシャル・ミックス政策の展開とコミュニティの影響についての本調査の一部を実施した。また調査結果の一部を海外の学術会議で発表し、専門家と意見交換を行い、フィードバックを受けた。 第一に、2021年度にオルネー・スー・ボワー地域で実施した行政関係者と学校関係者、NGO関係者、住民を対象とした聞き取り調査のデータの整理と分析を進めた。それを通して、地域社会におけるセグリゲーションを防止する目的で進められた団地再建と住民の再定住政策が、逆説的にマイノリティ住民間のネットワークを弱体化させていることが明らかになった。第二に、パリ市シャペル地区とアトランタ市カスケード・ハイツ地区にて移民・人種マイノリティ集住地域において現地調査を実施した。具体的には、内発的ソーシャル・ミックスが都市空間の再編に及ぼす影響について、都市開発専門家、行政関係者とNGOに対する聞き取り調査を行い、データの整理を進めた。第三に、ここまでの研究成果の一部を国内外の学術イベントにて発表し、フィードバックを受けた。なかでも2022年12月にはシカゴ大学パリキャンパスで開催された国際シンポジウムRethinking Race, the Colonial and the Postcolonial in Contemporary Franceにて、ここまでの本研究の成果を発表し、人種問題、都市問題の専門家と意見交換を行った。第四に、2023年3月に海外研究協力者と会議をもち、これまでのデータを持ち寄り、検討議論を行うと同時に、今後の研究の進め方について協議を行った。そして2023年度の最終シンポジウムの具体的な内容と開催場所・日時、ならびに役割に分担を決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
パンデミックの影響により予定されていた国際対面学術会議の実施を延期したことと、対面による現地調査の実施に制限があったため、予定通りに進行できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
パンデミックによる制限が国内でも本格的に解禁されたこともあり、また海外での研究協力者とも相談を重ね、2023年度には予定された作業・会議を実施、完了できる見通しがたっている。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症拡大により予定されていた国際会議の実施を延期せざるを得なくなったこと、ならびにフランス、米国での海外調査の実施が遅れたことから、それらを2023年度中に行うことになった。
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Research Products
(22 results)