2023 Fiscal Year Annual Research Report
Estimation of location, magnitude, and mode of the impact of a small solar system body in Southeast Asia at ca. 0.8 Ma and its effect on the surrounding environment
Project/Area Number |
18KK0092
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
多田 隆治 千葉工業大学, 地球学研究センター, 嘱託主席研究員 (30143366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田近 英一 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (70251410)
岡田 誠 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 教授 (00250978)
黒澤 耕介 神戸大学, 国際人間科学部, 准教授 (80616433)
鹿山 雅裕 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (30634068)
多田 賢弘 千葉工業大学, 地球学研究センター, 研究員 (80909565)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2024-03-31
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Keywords | AATE / イジェクタ層 / 衝撃変成石英 / 衝突実験 / Feather Features / 衝撃圧力指標 / 衝突地点 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、これまでに東南アジアにおいて野外調査・試料採取を行った36地点のうち5地点について角礫層の薄片を作成してその観察を行い、すでに衝撃変成石英を同定したタイ東北部Huai Omに加え、タイ東北部・ラオス南部の他の地点についても角礫層中に衝撃変成石英が含まれていることを確認した。このことは、イジェクタ層がインドシナ半島の広範囲に分布していることを強く示唆する。また、角礫層の薄片観察の結果、その礫種はタイ東北部やカンボジア北部では珪岩が卓越し、ラオス南西部では玄武岩や砂岩が卓越することが明らかになった。 これまでに調査を行った36地点の角礫層の層厚はラオス南西部に向かって厚くなる傾向があり、この地域に衝突地点があることことを示唆する。この地域には砂岩及び玄武岩が広く分布しており、イジェクタ層中に砂岩・玄武岩の角礫が含まれていることとも整合的である。また、数百m~数kmしか離れていない地点間においても角礫層の層厚が大きく変化する場合があることや、特定の方位に沿って層厚が厚い傾向があることも分かった。このことは、イジェクタが同心円状に均質な層厚分布をしているのではなく、パッチ状あるいはレイ状の不均質な分布をしている可能性を示唆する。 また、前年度に実施した衝突実験試料中からFeather Features (FFs) と呼ばれる衝撃変成組織を発見した。FFsはこれまで実験試料からの報告数が少なく、その実態はよく分かっていなかった。本実験で形成されたFFsを詳細に観察した結果、FFsは2~18 GPaの衝撃圧力下で形成されること、衝撃圧力の大きさに伴って顕微鏡下での特徴が変化することなどが分かった。このことから、FFsは幅広い圧力範囲において衝撃圧力指標として使用できると期待される。今後AATEイベントのイジェクタ層について経験圧力推定を行う予定である。
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[Presentation] 衝撃回収実験により形成された石英中のFeather Featuresの特徴2023
Author(s)
多田 賢弘, 黒澤 耕介, 富岡 尚敬, 永冶 方敬, 伊佐 純子, Christopher Hamann, 大野 遼, 新原 隆史, 岡本 尚也, 松井 孝典,
Organizer
日本惑星科学会2023年秋季講演会
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