2022 Fiscal Year Research-status Report
鳥類をモデルとした食性の多様化と味覚受容体の機能との関連
Project/Area Number |
18KK0166
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
石丸 喜朗 明治大学, 農学部, 専任教授 (10451840)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 安香 明治大学, 農学部, 特任講師 (10802978)
三坂 巧 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (40373196)
|
Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2024-03-31
|
Keywords | 味覚受容体 / GPCR / 食性 / 鳥類 |
Outline of Annual Research Achievements |
味覚は食物を摂取可能であるかを判断する上で重要な感覚である。そのため、味覚は食性に応じて動物ごとに柔軟に変化してきた。当グループは近年、甘味受容体遺伝子が偽遺伝子化していることから糖の味を感知できないとされてきた鳥類の中でも、花の蜜を食するハチドリでは旨味受容体が糖受容体としての機能を新たに獲得していることを明らかにした。一方、ハチドリとは系統的に離れた鳥類の中にも多くの花蜜食及び果実食の鳥類が存在するが、これらの鳥類の旨味受容体がどのような機能を果たしているのかは明らかでない。そこで、本研究では様々な系統に属する鳥類を対象に、旨味受容体の塩基配列解析、機能解析、行動実験を行い、花蜜食・果実食とその他の食性の鳥類の間における旨味受容体の機能の違いを検証する。 クローニングが完了した鳥類の旨味受容体について順次、機能解析を実施した。また、糖受容能獲得の分子機構解明のために変異体解析を進めた。新型コロナウイルス感染症の影響により、予定していた共同研究先への渡航は延期となったが、Zoomによるオンラインディスカッションなどを定期的に実施し、連携を密に取り合った。得られた成果の中から、キツツキ科に関する研究内容を論文としてまとめた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
キツツキ科鳥類を対象とした共同研究論文がCurrent Biology誌に掲載された。
|
Strategy for Future Research Activity |
対象とする鳥類の種類をさらに広げ、鳥類における旨味受容体の機能と食性の関わりの全貌を明らかにする。さらに研究を発展させるため、鳥類における消化酵素の機能解析も開始する。共同研究先であるBaldwin研(Max Planck Institute for Biological Intelligence)で開発済みの消化酵素の活性評価系に関する技術指導を受け、明治大学に導入する。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により、予定していた共同研究先への渡航が延期となった。また、消耗品の節約に努めたところ、次年度使用額が生じた。次年度は旅費や消耗品として使用することを計画している。
|
Research Products
(13 results)