2021 Fiscal Year Annual Research Report
Screening mutant lines showing enhanced water use efficiencies with a newly developed system for its visualization
Project/Area Number |
18KK0170
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
矢守 航 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (90638363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺島 一郎 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (40211388)
大政 謙次 高崎健康福祉大学, 農学部, 教授 (70109908)
杉浦 大輔 名古屋大学, 生命農学研究科, 講師 (50713913)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2022-03-31
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Keywords | 水利用効率 / 光合成 / 気孔 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究では、節水条件において高い生産性を示す植物の創成を目指す。これまでに植物の水利用効率の可視化装置のプロトタイプを構築した。これらの装置や節水条件下における植物成長の解析に基づき、1万種以上のケミカルライブラリーを用いたハイスループットスクリーニングを行い、水利用効率の向上に関する化合物の探索を行った。その結果、節水条件下において光合成を促進しうる候補化合物を得ることができた。 また、植物の水利用効率の遺伝的改良に向けた基盤研究を行った。現在、気孔開閉の制御に関与すると報告されているPATROL1や各種ABAトランスポーターに着目し、シロイヌナズナの各種変異体を用いて、それらの水利用効率に関する機能を解明することを目的とし研究を進めた。湿潤環境では、野生株に比べてABAトランスポーターを欠損した植物では、大きく気孔を開くことによって、植物成長が促進することを明らかにした。一方で、乾燥環境では、ABAトランスポーターを欠損した植物体では体内からの水分ロスが大きく、植物成長が抑制されることを示した。このように植物成長と乾燥耐性にはトレードオフの関係があることを示した。 さらに、シロイヌナズナにおいてPATROL1遺伝子を過剰発現すると、節水条件下においても、水利用効率を高く保ったまま、光合成や植物成長速度が向上することを示す結果を得た。このように、PATROL1が灌漑水の節減条件下における物質生産能力の強化に有効なターゲットとなることを示すことができた。
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