2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18KK0232
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
下島 昌幸 国立感染症研究所, ウイルス第一部, 室長 (10422411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 尚志 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 教授 (10156870)
渡辺 俊平 岡山理科大学, 獣医学部, 准教授 (10621401)
呉 成旭 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 研究員 (30817416)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2022-03-31
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Keywords | 高病原性ウイルス / クリミア・コンゴ出血熱ウイルス / 重症熱性血小板減少症候群 / リフトバレー熱 / 新規治療法 / 抗体 / 組み換えウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
高病原性のブニヤウイルス(CCHF/SFTS/RVFウイルス)による重篤な感染症に有効な治療法は知られていない。新たな治療法を見出すため、実施項目として用意した次の4点のうち3点につき研究を進めた。 ○CCHF/SFTS/RVFウイルスの受容体同定とその受容体分子に基づく治療用VSVの作製:重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスについて、代表者が開発したこれまでの手法の応用により、cDNA libraryから受容体候補分子をスクリーニングできることを確かめた。肝臓由来のcDNA libraryをスクリーニングし、C型レクチンDC-SIGNRの異なる2型(繰り返し配列が7つのものと4つのもの)を同定することができた。 ○初期免疫応答の解析と致死関連分子、治療標的の同定:SFTSウイルスの弱毒株をウイルスの連続継代により作出し、その原因変異をreverse genetics法により同定した。 ○抗ウイルスmAbあるいはNanobodyの作製:SFTSウイルスの表面糖蛋白質であるGP蛋白質(翻訳後GnとGcに分かれる)に対するmAbを作製した。GnおよびGc蛋白質を分泌型として発現し精製した。Nanobodyを作製するためラマへの免疫を開始した。 ○治療用素材の治療効果の検証:SFTSウイルスのGP蛋白質は細胞への吸着および侵入を担う分子であり、そのmAbの投与により細胞への感染の阻止や貪食細胞による除去が期待される。作製した4つのmAbと協力研究者から得た2つのmAbについて、SFTSのマウスモデルで治療効果を検証したが十分な効果を示すものは得られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
それぞれの実施項目で成果が得られており、進捗状況は順調であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
SFTSウイルスの受容体同定について、主要標的と類似するとされる細胞株での受容体同定を進める。 SFTSウイルスの弱毒株について、弱毒化のメカニズムの解明をウイルス側ではなく宿主側についても進める。 ラマによるnanobodyの作製を進め、ウイルスの中和活性を指標にする等その性状解析を行なう。
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Causes of Carryover |
SFTSウイルスのGPに対するmAbの作製があまりうまくいかず、mAbの精製に必要な試薬の購入が少額で済んだ。2020年度にmAbの作製に再度取り組むのに用いる予定である。
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Research Products
(5 results)