2018 Fiscal Year Research-status Report
ALS/PDC - 世界3大多発地での環境と遺伝子の cross talk -
Project/Area Number |
18KK0239
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
小久保 康昌 三重大学, 地域イノベーション学研究科, 招へい教授 (60263000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 悟 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (00816952)
奥宮 清人 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 連携教授 (20253346)
葛原 茂樹 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 教授 (70111383)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2023-03-31
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / パーキンソン症候群 / 認知症 / フィールド調査 / 遺伝子解析 / エピゲノミクス / メタゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
①経年的なフィールド調査と疫学像、臨床像、生活様式や食生活、社会環境の変遷:紀伊半島では、現在約250例の患者レジストリを整備し自然歴を解析している。2019年6月には、Cycad説を唱えるProf.Spencer(Oregon Health & Science University)一行を迎え、多発地での環境要因調査を行う。グアム島は、現地調査を行い2019年4月に創刊したGuam Medical Journalに寄稿した。パプア州では、2019年3月に現地調査を行った。2019年度は、現地調査とともにライデン大学図書館でオランダ統治時代の資料を調査する。 ②環境メタゲノミクス:2018年度は、サンプル調整と解析に向けた準備を進めた。2019年度は、少数の患者由来サンプルを用いて次世代シークエンサーを用いたメタゲノム解析およびメタトランスクリプトーム解析を行う。 ③リスク遺伝子多型解析とエピジェネティクス解析:2018年度は、新しい解析に向けた倫理申請を行い承認された。患者とAD脳、健常者脳を用いてエピゲノム変化に違いのあった遺伝子群を同定した。2019年度は、紀伊半島多数例の患者DNAを対象とし、Long cord leadingが可能な新たな次世代シークエンサーを用いた全ゲノム解析とハプロタイプ解析を行う。紀伊患者脳を用いたmRNA発現解析および質量分析を行い、エピゲノム解析結果と比較することで、新たな関連物質の同定を試みる。 ④パプア州患者における初めての原因遺伝子解析:2018年度は、カウンターパートであるAirlangga大学とのMOA締結交渉を進めた。2019年度は、MOA締結後、候補遺伝子解析についてAirlangga大学遺伝子解析グループとの具体的な解析方法について打ち合わせを行う。19年度後半には、現地に赴き患者検体の採取を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①ALS/PDCの現状を把握するための経年的なフィールド調査と100年前から現在に至る疫学像と臨床像の変遷、および生活様式や食生活、社会環境の変化等、についての比較検討:紀伊半島のレジストリー整備と自然史解析について予定通りおこなった。グアム島とパプア州での経年的なフィールド調査は予定通り行った。また、2019年4月に創刊したGuam Medical Journalに紀伊ALS/PDCの現況について寄稿した。3地域の疫学像、臨床像、生活様式や食生活、社会環境の変遷と比較について解析を進めている。 ②環境メタゲノミクス:2018年度は、紀伊ALS/PDC患者の腸内環境メタゲノム解析に向けたサンプル調整を含めた解析準備を予定通り行った。 ③リスク遺伝子多型解析と環境要因が遺伝子発現に影響し発病に至るメカニズムとしての患者脳を用いたエピジェネティクス解析:2018年度は、新しいLong cord leadingが可能な新たな次世代シークエンサーを用いた遺伝子解析に向けた倫理申請を行い承認された。患者とAD脳、健常者脳を用いてエピゲノム変化に違いのあった遺伝子群を同定した。以上から予定通り進捗した。 ④パプア州患者における初めての原因遺伝子解析:2018年度は、カウンターパートであるAirlangga大学とのMOA締結交渉を進めた。近日中に締結予定であり、予定通り進捗した。
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Strategy for Future Research Activity |
①経年的なフィールド調査と疫学像、臨床像、生活様式や食生活、社会環境の変遷:紀伊半島では、引き続き患者レジストリの整備と自然歴の解析を継続する。2019年6月には、Cycad説を唱えるProf.Spencer(Oregon Health & Science University)一行を迎え、多発地での環境要因調査を行う。グアム島とパプア州での、フィールド調査を行う。パプアでは、ライデン大学図書館でオランダ統治時代の資料を調査する。3地域の疫学像、臨床像、生活様式や食生活、社会環境の変遷と比較について解析を進める。 ②環境メタゲノミクス: 2019年度は、少数の患者由来サンプルを用いて次世代シークエンサーを用いたメタゲノム解析およびメタトランスクリプトーム解析を行う。 ③リスク遺伝子多型解析と環境要因が遺伝子発現に影響し発病に至るメカニズムとしての患者脳を用いたエピジェネティクス解析:2019年度は、紀伊半島多数例の患者DNAを対象とし、Long cord leadingが可能な新たな次世代シークエンサーを用いた全ゲノム解析とハプロタイプ解析を行う。紀伊患者脳を用いたmRNA発現解析および質量分析を行い、エピゲノム解析結果と比較することで、新たな関連物質の同定を試みる。 ④パプア州患者における初めての原因遺伝子解析:2019年度は、MOA締結後、候補遺伝子解析についてAirlangga大学遺伝子解析グループとの具体的な解析方法について打ち合わせを行う。19年度後半には、現地に赴き患者検体の採取を行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:研究費の交付決定時の10月には年度末にかけての研究や現地調査日程が決まっていたため、補助的な使用にとどまった。2019年度には所定の成果をあげるべく研究計画に沿って研究を加速させる。 使用計画:①経年的なフィールド調査:2019年6月の紀伊半島の環境要因調査を行うための費用。グアム島およびパプア州のフィールド調査を行う費用。ライデン大学図書館でオランダ統治時代の資料を調査する文献費用など。②環境メタゲノミクス:患者由来サンプルを用いて次世代シークエンサーを用いたメタゲノム解析およびメタトランスクリプトーム解析を行うための費用。③リスク遺伝子多型解析と環境要因が遺伝子発現に影響し発病に至るメカニズムとしての患者脳を用いたエピジェネティクス解析:患者DNAを用いた、Long cord leadingが可能な次世代シークエンサーを用いた全ゲノム解析とハプロタイプ解析を行うための費用。紀伊患者脳を用いたmRNA発現解析および質量分析を行うための費用。④パプア州患者における初めての原因遺伝子解析:MOA締結後、候補遺伝子解析についてAirlangga大学を訪問し遺伝子解析グループとの具体的な解析方法について打ち合わせを行うための費用。ほかに論文の英文校正、投稿料、研究会開催などの費用。
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Research Products
(10 results)