2020 Fiscal Year Research-status Report
国際共同研究によるメカノバイオロジーを応用した細胞外小胞診断のための基盤構築
Project/Area Number |
18KK0251
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石井 秀始 大阪大学, 医学系研究科, 特任教授(常勤) (10280736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今野 雅允 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座講師 (80618207)
浅井 歩 大阪大学, 産業科学研究所, 特任助教(常勤) (40783262)
出口 真次 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (30379713)
江口 英利 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (90542118)
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Project Period (FY) |
2018-10-09 – 2022-03-31
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Keywords | 国際共同研究 / 細胞外小胞 / メカノバイオロジー / RNA / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞外小胞 [EV]は患者の体液から採取可能であり、深部の病態や臓器間ネットワークを低侵襲に明らかにすることができる。よって、リキッドバイオプシー技術としてさらに高精度化が求められている。多様性なEVの網羅的な解明を加速化するために、日本『RNA計測技術』を中心とした2つの国際共同研究、(1)日・シンガポール『EVの変形能(deformability)のメカノバイオロジー』と、(2)日欧『RNA情報科学』を強化し、国際的ネットワークの構築と若手人材育成を推進する。単粒子レベルのEVの表面性状と内部のRNA代謝の網羅的な情報から病態を分類する基本技術を完成させ、Precision Medicineに適した技術基盤を構築することを目的とする。 【本研究で中心となる課題とその解決策】①変形能(deformability)に基づいて1013/mlのEV粒子から大容量情報を収集する:シンガポール国立大学のLim, C.T.教授らの現地の微小流路の装置を利用してEVを分離して、私たちの技術でRNAのメチル化を計測し、高精度のプロファイリング情報を取得する。②医療応用に向けた情報基盤の構築:EU・ローマ大学のVecchione A. 教授らの現地のチームと協働し、EVとRNAの計測データの機械学習により、新規バイオマーカーを開発す る。本年度はEV外形の性状として形、大きさ、電荷を計測し、またEV内部のmiRNAの配列と修飾は計測を行った。 R2年度には新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより国際間の移動は制限されていたが、オンラインでの学術情報が活発化し、新型コロナウイルスの病原体の解析でもRNA修飾とエクソソームの技術が応用できることから各分担研究が大きく加速した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
国際共同研究強化のプログラムとして2つの共同研究である、日・シンガポールおよび日・欧を組織して研究を進め、特にシンガポール国立大学のCTLim教授とは新型コロナウイルス感染症のパンデミックな状況の中でも、癌学会等の学術集会を介して研究交流を実施し、大きな成果を得ている。また欧州のアンドレア教授とも密な連絡をとり、本プログラムの大きな成果の達成に向けて着実に進捗が得られている。新しい研究シーズとして新型コロナウイルスの病原体の解析でもRNA修飾とエクソソームの解析にも応用できる新技術として若手の育成を進めるとともにわが国の知財を構築した。
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Strategy for Future Research Activity |
本計画では、二つの国際共同研究により戦略的に目的を達成する。(1)日・シンガポールの共同研究として、シンガポール国立大学Lim教授の研究室に赴き、現地の微小流路の装置を用いたメカノバイオロジーの研究および調査を行う。R3年度の癌学会での国際シンポジウムを企画し若手育成を進める計画である。(2)高度な情報解析は多大な手間を要するので、日欧の共同研究として、EU・ローマ大学Vecchione教授の研究室に赴き、現地の計算器の装置とシステムを用いてRNA情報科学の技術を習得して応用し、本研究の目的を達成する。これらの成果は、論文投稿と新たなアカデミアコンソシアムの形成に発展させる計画である。日本側として大阪大学が中心となって取りまとめて報告する。各組織間で共同研究の同意は得られている。EVとRNA修飾の基盤となるメカニズム解析を国際協同研究として進め、この領域で世界でトップクラスのサイエンスを実現する。
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Causes of Carryover |
当初の計画通りにしたがって研究を進捗しているところであるが、RNAのメチル化とバイオマーカーに関して実験モデルからのシングル解剖解析とシークエンスの条件設定の検討を重ねていたが、その結果が得られたので令和2年度から令和3年度にかけて解析作業の平準化のために次年度使用額が生じた。次年度においては、新型コロナウイルス感染症のパンデミックで、研究自体の進捗や研究者間のやりとりには支障はないが、個々の研究の実施レベルにおいては消耗品の調達に遅延が発生しておりこのことも次年度使用額が生じた一因であるが令和3年度前半期において解消する予定である。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] COVID-19 Drug Discovery Using Intensive Approaches2020
Author(s)
Asai Ayumu、Konno Masamitsu、Ozaki Miyuki、Otsuka Chihiro、Vecchione Andrea、Arai Takahiro、Kitagawa Toru、Ofusa Ken、Yabumoto Masami、Hirotsu Takaaki、Taniguchi Masateru、Eguchi Hidetoshi、Doki Yuichiro、Ishii Hideshi
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Journal Title
International Journal of Molecular Sciences
Volume: 21
Pages: 2839~2839
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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