2020 Fiscal Year Research-status Report
単一細胞解析による組織間葉系幹細胞のin vivo特性解析
Project/Area Number |
18KK0449
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
馬渕 洋 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (50424172)
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Project Period (FY) |
2019 – 2021
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Keywords | 間葉系細胞 / Single-Cell RNA Sequence |
Outline of Annual Research Achievements |
組織幹細胞は組織の恒常性を維持するため、複雑な生命システムに基づいて幹細胞性を維持していると考えられる。間葉系幹細胞は、培養することで組織から抽出することができ、損傷モデルに移植することで組織修復および抗炎症効果などを有することが実証されている。しかし、細胞移植における有効性を発揮する細胞群が明らかではなく、治療効果の観点からの規格値設定が非常に困難である。これまでに申請者は、間葉系幹細胞を組織から分離するための細胞表面マーカーの解析を行い、その技術を応用した間葉系幹細胞の性状解析を行っている。 本研究では、単一細胞レベルでの遺伝子発現を指標として間葉系幹細胞を分類することにより、組織恒常性(組織修復)に関与する細胞集団の特定を行うことを目的としている。特に、in vitroで得られる単一細胞解析の結果を個体レベルで解析するため、University of CambridgeのDr. Mendez-Ferrerとの共同研究において疾患モデルマウスとSingle cell RNA sequence法を組み合わせて、病態および老化などのストレス刺激を受けた際の個々の間葉系幹細胞の特性解析を進めた。当初の予定では、2020年4月1日から2021年3月31日の1年間の予定であったが、英国をはじめ世界のコロナ感染症の状況を踏まえて2020年8月17日から2021年3月30日と渡航期間の短縮を行った。今回の渡航では、コロナ状況下での実施可能な範囲での実験を実施し、研究データを得ることができた。得られたデータを元に論文を執筆し、現在論文投稿中である。今回の渡航で実施できなかった実験については、引き続き共同研究を進め、今後実施していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
英国のコロナ感染症の状況を踏まえ、当初の予定であった1年間の渡航予定から半年間へと渡航期間の短縮を行った。今回の渡航では、実施可能な範囲での実験に集中し、研究データの取得および論文を執筆を行なった。渡航期間は短くなったものの、実施可能な研究を優先的に進め、研究データを得ることができた。以上のことから、研究は概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、Dr. Mendez-Ferrerとの共同研究を進め、今回の渡航で実施できなかった実験については、今後実施していく予定である。特に、疾患モデルマウスにおける間葉系幹細胞のSingle cell RNA sequenceは必須であることから、病態および老化などのストレス刺激を受けた際の個々の間葉系幹細胞の特性解析を重点的に進めていく。動物を使用したin vivoのデータ取得が困難であれば、マウスラインの譲受および解析技術の取得など実施可能な方法を検討する。
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Research Products
(7 results)