2021 Fiscal Year Research-status Report
単一細胞解析による組織間葉系幹細胞のin vivo特性解析
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18KK0449
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
馬渕 洋 順天堂大学, 大学院医学研究科, 特任准教授 (50424172)
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Project Period (FY) |
2019 – 2022
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Keywords | 間葉系幹細胞 / Single-Cell RNA Sequence / 細胞多様性 / 細胞間クロストーク |
Outline of Annual Research Achievements |
間葉系幹細胞は骨髄をはじめ様々な組織に存在し、生体の恒常性に関与していると考えられている。間葉系幹細胞は既に細胞治療のソースとして実用化されているが、治療に関与する細胞集団の同定といった細胞特性の解析が進んでおらず、幹細胞の本質が捉えられていないのが現状である。また、細胞移植における有効性を発揮する細胞群が明らかではなく、治療効果の観点からの規格値設定が非常に困難である。本研究では、単一細胞レベルでの遺伝子発現を指標として組織恒常性(組織修復)に関与する細胞集団の特定を目的とする。 本年度は、単一細胞レベルでの遺伝子発現を指標として間葉系幹細胞を更に詳細に分類することにより、組織修復および炎症惹起に関与する細胞集団の特定を行った。また、ヒト細胞に対するSingle-Cell RNA Sequence解析を行い、マウスと同様に細胞の多様性について解析を行った。University of CambridgeのDr. Mendez-Ferrerとの共同研究において進めていたデータについては引き続き日本でも解析を行い、定期的にディスカッションを進めている段階である。 現在得られているデータとして、マウス骨髄に存在する間葉系幹細胞亜集団について解析を行なったところLipopolysaccharides (LPS)の刺激により、特定の炎症系因子の分泌が促進される細胞集団を同定した。in vivoおよびin vitroによる解析の結果、それらの細胞集団から分泌される炎症系因子は、血球系細胞群をミエロイド細胞へ分化を促進することが示唆された。単一細胞レベルでの間葉系細胞集団の解析により、造血-間葉間での相互作用を明らかにすることができ、生体内での細胞特性の一部を解明できたのではないかと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度では、マウス骨髄細胞における炎症惹起に関与する細胞集団の特定を行なった。またヒト骨髄に対するSingle-Cell RNA Sequenceによる解析および各クラスターに対する特異的なマーカーの選定に成功した。現在、間葉系細胞の亜集団のin vivoでの機能的な違いを解析しており、概ね研究は順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞から分泌される因子の機能についてより詳細に研究を進めるため、遺伝子強制発現および発現抑制実験を追加していく予定である。また、Lipopolysaccharides (LPS)の刺激により、活性化される細胞集団の遺伝子発現について、Single-Cell RNA Sequence解析を行う予定である。
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Research Products
(7 results)