2019 Fiscal Year Research-status Report
小児環境疫学研究に適用するライフコースアプローチの重点的な開発
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18KK0466
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
竹内 文乃 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (80511196)
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Project Period (FY) |
2019 – 2021
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Keywords | ライフコース疫学 / 疫学統計学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の基課題は「大規模環境疫学研究のためのライフコース統計解析手法の重点的開発と実データ適用」であり、環境要因や環境化学物質のように,単一での影響は小さく,複合的な曝露が問題となるリスク因子や,人の生涯において例えば成長発達期などリスク因子への感受性が高まる特定の時期が存在するようなリスク因子を対象とした疫学研究において,曝露状況が経時的に変化するような状況に対応する統計モデルを実データに適用することを目的とする.本基課題では,主に社会医学領域で提唱されてきたライフコース疫学の概念を環境疫学に持ち込み,なおかつ臨床試験領域で提案された,対象者の治療が対象者の疾患の状況で変化する状況に対応する統計モデルを環境疫学データに適用することを目指して研究を遂行中である。 疫学調査研究においては,研究開始時点のベースライン調査で対象者のリスク因子を評価し、その後は興味ある疾患の発症もしくは死亡を追跡する主に成人や高齢者を対象とした慢性疾患の疫学は,コホートや解析手法が確立されて打つあるが,最近は,冒頭で述べたような複合的で強くないリスク因子や,特定の作用期間が存在するリスク因子の疾患発症への影響評価を,対象者の生涯に渡るリスクへの曝露の変遷で評価しようとするライフコースアプローチが注目されている. ライフコース疫学研究においては、環境因子をはじめとする生活習慣等のリスク因子への曝露状況が生涯にわたって経時的に変化し、また疾患も場合によっては(例えばアトピーや食物アレルギー等の免疫疾患のコントロール状況のように)曝露の変化に影響を受けて生涯にわたって経時的に変化する可能性を考える。 2019年度については、渡航先のビザ発給数制限の影響で渡航することができず、国内で基課題に関する文献調査やシミュレーション研究を遂行したため、本研究(国際共同加速)部分については大きな進捗はなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度については、渡航先のビザ発給数制限の影響で渡航することができず、国内で基課題に関する文献調査やシミュレーション研究を遂行したため、本研究(国際共同加速)部分については大きな進捗はなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の世界的流行の影響で、渡航に必要なVISAを取得できていない状況が続いているため、オンライン等で国際共同研究先研究者とコミュニケーションを取りつつ、渡航した際に効率的に研究が進められるよう日本で実施可能な文献調査やシミュレーション研究等の準備をより進め、オンライン開催の国際学会等への参加をする予定である。
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Research Products
(2 results)