2018 Fiscal Year Research-status Report
Cross-border Regional Development with Diverse Connectivity in Asian Developing Countries
Project/Area Number |
18KT0007
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
張 峻屹 広島大学, 国際協力研究科, 教授 (20284169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬谷 創 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (20584296)
友澤 和夫 広島大学, 文学研究科, 教授 (40227640)
清水 哲夫 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (40272679)
藤原 章正 広島大学, 国際協力研究科, 教授 (50181409)
布施 正暁 広島大学, 工学研究科, 准教授 (70415743)
力石 真 広島大学, 国際協力研究科, 准教授 (90585845)
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Project Period (FY) |
2018-07-18 – 2021-03-31
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Keywords | 国境まちづくり / メコン流域 / フィールド調査 / ヒアリング調査 / 物流 / 貿易 / 観光 / 生活行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではアジア途上国の国境まちを研究対象とする。国境まちの発展は異文化交流の促進による地域平和だけではなく、国境を跨る開発によって地域経済の成長や生活の質の向上にも大きく寄与する。途上国では多くの場合、国境まちは開発が遅れている地域である。グローバル化による越境開発が進められている中で、越境開発によって地域文化の喪失が懸念され、国境まちのあるべき姿が問われている。この問題は典型的なグローバル・イシューの1つである。しかし、グローバルな視点から文化とまちづくりを融合した国境まちの研究はないに等しい。そこで、本研究では、多様なコネクティビティ(文化交流、観光、交通、貿易、資本、資源、環境、情報、グローバル社会、国境を越えたソーシャルネットワークなどからみた多様な連帯関係など)を有する国境横断型まちづくりの視点からアジア途上国の国境まちのあるべき姿を提示し、それを実現するための方法論を開発する。
初年度の最も大きな実績は、フィールド調査を、ベトナムと中国の国境まち(計4か所)、タイとカンボジアの国境まち(2か所)、カンボジアとベトナムの国境まち(3か所)である。アメリカとカナダ・メキシコとの国境まちについても4か所をフィールド調査した。そのなかで、現地政府機関・企業へのヒアリングを実施すると同時に、国境を行き来する物流、観光、国境を跨る日常生活の実態(相手国での仕事、買い物、商売、受診など)について定性的に調べることができた。国境まちにおけるアンケート調査実施の困難さを実感することもできた。これらのフィールド調査の結果は、来年度の本格的な調査のために必要な基礎情報を提供することができた。特にどのような国境で、どのような調査がより重要で、どのような調査内容を実施すべきかなどについて、現地で確認することができた。現地での調査を実施するための人的なネットワークを一部構築できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アンケート調査を一部実施できると計画したが、想定より、難しかった。特に治安情勢がよろしくない箇所もあり、どう具体的な調査を実施していけばよいかについて、その模索に時間がかかった。特に政治的情勢の影響で、中国側での調査が大変難しかった。
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Strategy for Future Research Activity |
提案内容の重要性について、フィールド調査を踏まえ、再確認することができた。限られた予算のなかで、治安情勢や国境別の実態の違いに応じて、調査種類と内容を峻別し、提案時の研究内容を現地の協力者と相談しながら見直しつつ、提案時の研究内容を最大限に実施できるように工夫していく。
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Causes of Carryover |
調査実施の困難さで進捗が遅れたため、次年度使用額が生じた。
次年度において、本格的な調査を実施する。具体的には、中国とベトナム・ミャンマー、カンボジアとベトナム、ラオスとタイの国境まちを対象に、住民の越境生活実態調査、観光行動調査、貨物輸送と貿易調査、政府・企業へのヒアリング調査を実施する。また、リモートセンシング技術、GIS技術などを駆使し、国境まちの歴史的変遷を研究する。さらに、アジア地域規模の交通ネットワーク分析を通じて、将来における国境横断地域づくりの効果を評価するための基礎研究を行う。
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Research Products
(7 results)