2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of strategy to design anticancer drug based on ceRNA network
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18KT0016
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋光 信佳 東京大学, アイソトープ総合センター, 教授 (40294962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜田 道昭 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00596538)
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Project Period (FY) |
2018-07-18 – 2022-03-31
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Keywords | RNA |
Outline of Annual Research Achievements |
マイクロRNAは自身と相補的な塩基対を有するmRNAに結合し、mRNAを分解することでmRNAの発現量を制御する。近年、長鎖ノンコーディングRNA (long noncoding RNA; lncRNA)がマイクロRNAと結合することでマイクロRNAがmRNAから乖離し、結果としてmRNAが発現上昇することが示された。このように、単一のマイクロRNAは複数のlncRNAやmRNAにより奪い合われており、このような競合関係にあるRNAを互いにcompetitive endogenous RNA (ceRNA)と言う。あるひとつのマイクロRNAは複数のceRNAと結合する。一方、個々のceRNAは自身のRNA配列に複数のマイクロRNA結合サイトを持つ。このことから、ceRNA同士はマイクロRNAを仲介として、巨大なRNA間相互作用ネットワーク(これをceRNAネットワークと呼ぶ)を形成する。ceRNAネットワークの特徴は、miRNAによって繋がったceRNA同士の発現が強く正に相関する点である。すなわち、あるceRNA(lncRNA)が発現上昇すると、対となるmRNAからマイクロRNAが乖離することでmRNAは発現上昇する。このようにceRNAネットワークは細胞内のmRNA発現量とマイクロRNAとの関係をシステムとして記述できる。しかしながら、細胞内のceRNAネットワークを高精度で構築する方法論は未だ確立できていない。また、ceRNAネットワークから有用な情報を抽出するためのネットワーク解析手法も確立できていない。このことが、ceRNAネットワーク研究のボトルネックとなっている。そこで、本研究ではceRNAネットワークを効率的かつ高精度に予測する手法を最初に開発する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今回の申請採択が年度途中からであったため、当初予定よりやや進捗が遅れた。2019年度は、この遅れを取り戻す。
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Strategy for Future Research Activity |
RNA-RNA相互作用を予測するバイオインフォマティックスツールを浜田(研究分担者)が開発しているが、その予測精度の更なる向上を目指す。そして、予測結果の実験的検証を秋光(研究代表者)が実施する。その上で、The Cancer Genome Atlas等のパブリックデータベースに登録されている大規模遺伝子発現データを用いて、正常細胞とがん細胞のceRNAネットワーク構造の予測を行う。さらに、がん細胞に特徴的なceRNAネットワーク構造やネットワークのハブとなるRNAの同定を試みる。
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Causes of Carryover |
2018年度に予定していた次世代シーケンス解析が当該年度中に実施しなかったため、次年度使用額が発生した。
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