2019 Fiscal Year Research-status Report
ceRNAネットワーク構造の解読を基盤とした、全く新しい抗がん剤開発戦略の開発
Project/Area Number |
18KT0016
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋光 信佳 東京大学, アイソトープ総合センター, 教授 (40294962)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜田 道昭 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00596538)
|
Project Period (FY) |
2018-07-18 – 2021-03-31
|
Keywords | RNA |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、RNA-RNA相互作用やRNA-RNA結合タンパク質との相互作用を基盤とした遺伝子発現制御ネットワークの存在が注目されている。ここで興味深いのは、これらRNAとRNA結合タンパク質の作り出すネットワークは相互作用を通じて巨大なネットワークを形成していることである。たとえば、小分子ノンコーディングRNAであるマイクロRNAは、それ自身と相補的な塩基対を有するmRNAに結合してmRNAを分解したり翻訳抑制することでmRNAの発現量を制御しているが、ひとつのマイクロRNAが標的とするmRNAは一つでは無く複数存在する。一方、ひとつのmRNAは複数種類のマイクロRNAによって発現制御を受けている。このように、RNA-RNA相互作用とRNA-RNA結合タンパク質との相互作用は、多数対多数の相互作用となっている。しかしながら、このような多数対多数の相互作用を基盤としたネットワークの構造やその生理的役割については不明な点が多数存在する。そこで、本研究では、RNA-RNA相互作用やRNA-RNA結合タンパク質との相互作用を解析するための技術開発等を行う。そして、この巨大ネットワークの生理的役割や疾患における役割を解明する。これまでに、RNAとRNA結合タンパク質との相互作用を解明する技術開発を進めてきており、研究論文を発表した(Yamada T. et al., Cell Rep)。内容は、公共データベース上に公開されている次世代シーケンサーデータをもとに、RNA結合タンパク質とその分解標的RNAとの発現量相関を調べるシステムを開発した。そして、このシステムが有効であることを複数のRNA結合タンパク質で検証し、研究成果を論文発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RNA分解制御の観点から、RNAとRNA結合タンパク質の相互作用を網羅的に検索するin silico技術を開発して、研究成果を論文発表できたため、本年度は順調に研究が進展したと判断している。
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度に開発した技術を基盤として、疾患において重要なRNA-RNA相互作用、あるいはRNA-RNA結合タンパク質の相互作用を解明する。
|
Causes of Carryover |
当初予定していたRNA-RNA結合タンパク質の相互作用解析において、予想外の新しい発見があり、その結果を論文発表を行ったときに、当初計画に加えて追加の実験をレビュー過程で要求された。そのため、当初計画とは異なる実験を実施する必要が生じたが、その実施経費が当初予算よりも少額で実施できる研究であったため、今年度は当初計画を下回る予算執行となった。
|
Research Products
(1 results)