2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of strategy to design anticancer drug based on ceRNA network
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18KT0016
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋光 信佳 東京大学, アイソトープ総合センター, 教授 (40294962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜田 道昭 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00596538)
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Project Period (FY) |
2018-07-18 – 2022-03-31
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Keywords | RNA |
Outline of Annual Research Achievements |
RNA-RBP相互作用を検出するためのRNA interactome cpature (RIC)を最初に確立した。しかしながら、その後の検討によって、当初のRIC法ではバックグラウンドノイズが高く、高感度検出ができないことがわかった。そこで、Locked nucleic acidをつかってDNA-RNA相互作用を高める方法をつかって、特異性を高めたenhanced RIC (eRIC)を確立した。eRICをつかうと、特異性の向上に加えて、RNA回収率も高まり、効率が良くなることがわかった。 つぎに、癌細胞の増殖を理解するために必要な低酸素応答における網羅的RNA-RBP相互作用をeRIC法で調べた。使用した細胞は20%酸素あるいは1%酸素処理したHCT116細胞を用いた。1%酸素の低酸素状態は72時間処理した。その結果、常酸素特異的および低酸素特異的RNA-RBP相互作用を担うRBP候補を多数得た。さらに、バイオインフォマティックス解析することで、低酸素特異的RBP-RNA相互作用で検出されるRNA変化では、代謝系酵素をコードするmRNAが有意に多いことがわかった。 同定したRBPの性質についてバイオインフォマティックス解析すると、いくつかのbiological pathwayの濃縮が確認できたが、比較的ブロードな性質を持つことがわかった。この結果は、低酸素状態における細胞内RNA-RBP相互作用ネットワークは比較的広範囲に変化していることを示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画どおり、RNA-RBP相互作用を検出することができたため。さらに、癌細胞の低酸素応答を規定する細胞内ネットワークについて着実に解析を進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に同定したRNA-RBP相互作用について、個々の分子にも注目して解析を進める。具体的には、ノックダウン実験、過剰発現実験、変異体導入実験などを組み合わせて、分子生物学的、細胞生物学的、生化学的アプローチで、癌細胞の低酸素応答の分子機構を解明する。さらに、バイオインフォマティックス解析を活用することで、ネットワークレベル解析をさらにすすめ、全体像の把握もおこなう。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大のため、研究活動が制限されたため。当初計画にしたがって、残りの研究をおこなう。
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