2021 Fiscal Year Annual Research Report
multi-pathogenesis aging research based on the Down syndrome aneuploidy model
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18KT0026
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
南 敬 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 教授 (00345141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉林 伸博 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (40581658)
大里 元美 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 客員教授 (90314286)
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Project Period (FY) |
2018-07-18 – 2022-03-31
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Keywords | ダウン症 / エピゲノム / 血管内皮細胞 / ヒストン制御 / bivalent / NFAT / PTIP / non-canonical PRC1 |
Outline of Annual Research Achievements |
ダウン症発症に関わる転写因子 NFAT は内皮では特に VEGF シグナルにおいてその活性化に重要である。そこで、VEGF シグナルにおける内皮細胞でのエピゲノム動態変化をグローバルに解析を試みた。その結果、VEGF 刺激早期 15分にて血管新生に必須な転写因子群の転写制御領域に限定されたユニークなエピゲノム状態 (bivalent: H3K4me3, H3K27me3 ダブルpositive) が生じ、それが、ユニークな一過性急性期誘導の転写機構となっていることを解明した。この H3K27me3 修飾はpolycomb (PRC)2 によって担うが、それ自体は血管新生誘導転写因子の一過性発現にプラスに寄与すること、更に従来からのよく知られた canonical PRC1 での抑制はそのH2A119Ubでのヒストンマークの濃縮から確認されたが、 VEGF 刺激15~60分の間だけ、non-caninical PRC1.3 がこの制御領域に濃縮することで無効化されること、このVEGF 刺激15分において転写因子 NFAT1が核内移行し、NFAT1 と結合しうる PTIP(MLL3/4 ガイダンス因子) が丁度このタイミングで血管新生性転写因子群の制御領域に濃縮されることを見出した。MLL3/4 はH3K4me3 修飾を担うエピゲノム因子である。即ち、MLL3/4 のガイダンス因子 PTIP は NFAT1 と相互作用することで配列認識能を有し、血管新生に必須な転写因子群をダイナミックに誘導されるメカニズムの全貌を明らかにすることができた。これら血管新生に必要とされる PTIP や PRC1.3 を血管内皮でノックアウトすると、生後での血管新生や腫瘍血管新生が顕著に抑制されることも明らかとなった (Minami, et.al Cell Reports 2022)。
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