2020 Fiscal Year Research-status Report
Orality of sign languages and its applicability to contribution to Asian Deaf communities
Project/Area Number |
18KT0034
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Research Institution | Japan College of Social Work |
Principal Investigator |
斉藤 くるみ 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 教授 (30225700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末森 明夫 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (20357255)
森 壮也 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 新領域研究センター, 主任調査研究員 (20450463)
西田 昌之 日本社会事業大学, 付置研究所, 研究員 (40636809)
亀山 恵理子 奈良県立大学, 地域創造学部, 准教授 (50598208)
相原 朋枝 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 准教授 (60334562)
鈴木 久美 大阪経済法科大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (60751013)
渡部 淳 日本大学, 文理学部, 教授 (80366541) [Withdrawn]
菱沼 幹男 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 准教授 (80406347)
槻舘 尚武 山梨英和大学, 人間文化学部, 准教授 (80512475)
大野 ロベルト 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 講師 (80728915)
田村 真広 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 教授 (90271725)
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Project Period (FY) |
2018-07-18 – 2022-03-31
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Keywords | オラリティ / リタラシー / 手話 / アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、第一に、オラリティとリテラシーという概念が手話にあてはまることを明らかにすること、第二に、オラリティをモダリティと混同せず、見直すこと、第三に手話のオラリティ研究の成果をろうコミュニティ及びろう国際社会に提供し貢献することである。本年は新型コロナウィルスのパンデミックのために、アジア諸国での調査はできなかったため、ネット上の手話の動画などに頼るほか、オラリティとリテラシーについての理論研究に集中した。特に舞踏を専門とする分担研究者の貢献と、日本古典文学を専門とする研究分担者の貢献が大きかった。 舞踏の巨匠大野一雄は稽古において常に大量の言葉を使用し、それらは文字情報ではなく、踊り手の身体、あるいは意識に働きかける発話であった。動きを生成させる語りとはどのような性質をもつのかの分析が進んでいる。これを基に手話という身体表現に言語性を実現したものとの関連を考察している。 一方、日本語がリテラシーを獲得した時代、オラリティを保存できたことの背景には、宮廷での公的な営みとは距離をおいた、より私的な環境において、歌を中心とする文学的な営みが展開されたことがある。しかし「漢字仮名交じり文」で書記を行うという方法が定着したために、日本古来のオラリティが犠牲となった可能性はある。リテラシーによってオラリティが制限を受けるということが起こるのである。この時代のエリートには、オラリティを伴わないリテラシーとしての漢文の知識が求められたこともリタラシーの本質を考えるにあたり示唆を与えてくれた。必ずしもリタラシーの獲得が文明の前進ではない、ということも、またリタラシーによりオラリティが制限を受けるということも、現在の日本手話が、学校教育の指文字や日本語対応手話によって崩れていく危険性と本質的に共通すると考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスのパンデミックがアジアの手話の調査に支障をきたしている。手話を調査する予定であったインドネシア、フィリピン等のアジア諸国には渡航できなくなり、またインターネット環境も手話動画を送れる状況がない。協力者たちも身動きがとれない状況が続いている。一方、チームではそれぞれの分野のリタラシーとオラリティの関係を手話と結び付けるという作業が続いているが、予想外の成果もあった。本研究の目標の第一、オラリティとリテラシーという概念が手話にあてはまることを明らかにすること、そして第二、オラリティをモダリティと混同せず、見直す、この二点については前進した。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスのパンデミックにより、アジアの手話同士のintelligibilityなどの調査ができない状況が続いている。アジアではインターネット通信もままならず、特に手話動画となると、スムーズに送受信できないということが大きな支障をきたしている。 一方、舞踏の専門家や日本古典の専門家である分担研究者の協力により、文字をもたない視覚言語である手話という言語のリタラシーとオラリティ―の関係の本質を考察することができた。今後の感染状況により、理論的な研究に偏る可能性がある。
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Causes of Carryover |
新型コロナのパンデミックのため、チームの研究者それぞれのフィールドであるアジア諸国に入国できず、調査に出かけることができなかった。
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Research Products
(11 results)