2019 Fiscal Year Research-status Report
看取り家族が語るライフヒストリー再構成化への効果的支援方法の開発
Project/Area Number |
18KT0084
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
山村 江美子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (90340116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲村 秀子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (40319158)
松元 由香 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助教 (40586088)
福田 俊子 聖隷クリストファー大学, 社会福祉学部, 教授 (20257059)
長澤 久美子 常葉大学, 健康科学部, 准教授 (80516740)
蒔田 寛子 豊橋創造大学, 保健医療学部, 教授 (10550254)
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Project Period (FY) |
2018-07-18 – 2021-03-31
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Keywords | 共感 / 看取り / 訪問看護師 / 看護実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究協力者の訪問看護師11名について、インタビューを実施した。在宅療養者を看取る決心をした家族が、看取り介護を行う過程において、訪問看護師の共感的関りについて分析を実施している。 共感的関りとして、【場面に遭遇し事態を把握】というカテゴリーが抽出された。訪問看護師は、生活の場面や看取りの過程において、家族の出来事に遭遇することが多く、出来事を共有することが、共感するという過程に移行しやすいことが明らかとなった。【話の流れを自然体でコントロール】【表情や言葉で分かり合えたというメッセージの提供】というように、家族との話の場面において、ただ単に話を聞くという姿勢だけでなく、能動的に話をコントロールする姿勢でもあった。【語りかけ気持ちを引き出す】【どうしてそのように考え捉えたのかというメッセージの伝達】からは、家族の思いを更に理解しようとする姿勢をもち、対等な双方向性の会話を実施していた。家族の語りを共感することを通して【会話で思い出を作るという姿勢】をもち、看取り後に残される家族への思い出作りという看護的な関りも実施していた。【ターミナル期以前より会話を通して家族の思いを蓄積】ということからも、最終的な看取り期の家族の意思決定場面において、よりよく家族が意思決定できるように、家族がどのような考えであったのかということに対しては、常に共感し、意識して情報として蓄積していたことが明らかとなった。共感とは、うなずき傾聴することにとどまらず、能動的な訪問看護師の看護実践であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
訪問看護師の経験値における概念の抽出をするにあたり、当初の分析方法では多様性の抽出が困難であり、分析方法を変更して継続して分析を行っている。その結果、分析に時間を要している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
訪問看護師の語るデータの多様性について、今回しっかりと分析をする必要がある。訪問看護師の経験値・暗黙知としての看護実践を、記述するという取り組みを行うことによって、今後の生活者へのさらなる質のある看護実践につながると考えている。多職種に対面してのインタビューを中止し、訪問看護師の多様化されたデータに対して重点をおき分析を続けていく。
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Causes of Carryover |
学会発表等の出張を控えたこと、研修会のキャンセル、対面してのインタビューを控えたことにより、次年度使用額が生じた状況にある。今年度の使用計画については、感染症拡大の様子を注視し、学会発表に関する使用額へとつなげたい。
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