2021 Fiscal Year Research-status Report
看取り家族が語るライフヒストリー再構成化への効果的支援方法の開発
Project/Area Number |
18KT0084
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
山村 江美子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (90340116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長澤 久美子 常葉大学, 健康科学部, 教授 (80516740)
福田 俊子 聖隷クリストファー大学, 社会福祉学部, 教授 (20257059)
蒔田 寛子 豊橋創造大学, 保健医療学部, 教授 (10550254)
仲村 秀子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (40319158) [Withdrawn]
松元 由香 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助教 (40586088) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-07-18 – 2023-03-31
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Keywords | 共感 / 看取り / 訪問看護師 / 看護実践 / 能動的姿勢 |
Outline of Annual Research Achievements |
在宅療養者を看取る決心をした家族が、看取り介護を行う過程において、訪問看護師に向けて家族の歴史を語り、家族の歴史の再構成化を行うにあたり、訪問看護師の共感的関りを明らかにすることを目的に分析を実施している。 2021年度においては、訪問看護師の共感的関りにおける能動的な姿勢に焦点をあてて分析を行った。能動的姿勢とは、自ら働きかける姿勢である。訪問看護師は、共感的関りを行うにあたって、能動的姿勢、能動的働きかけを行っていた。【あえて聴きたい】という思いを訪問看護師はもち、家族に【思いを言語化する関り】を行っていた。【沈黙にも意味がある】と捉え、【沈黙の時間を共有】するという姿勢でもあった。【表情から読み取る気づき】は観察によるものだが、これにより【言語の表出のタイミング】が理解できるまでになっていた。【反応を確認する連続】に努め、【状況に応じた関り】を行っていた。 ターミナル期に、家族の歴史の再構成化に訪問看護師が関わることについては、【語りは人生の肯定につながる】と捉えており、あえて〈人生の選択を言語化することへの関り〉を行っていた。人生の選択とは、家族を自宅で看とることを決心し、看取り介護を行っているという過程も含めた選択であった。話を聞くという行為において、訪問看護師は聞くという姿勢にとどまらず、会話の中から【過去から連続性の中で対象を理解】することに努め、【看護実践の前提となる根拠を探る】という姿勢は前年度までに明らかとなっていたが、それに加えて、家族が看取り介護を行うことに対して肯定できることへの支援にもつながっていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
訪問看護師の経験値における概念の抽出について、分析方法を変更した。その後、訪問看護師の経験値について、妥当性の確認作業に時間を要している。抽出された概念については、訪問看護師の経験値を構成したものであるのか、その妥当性の確認を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
分析により概念の抽出については、おおよそ飽和状態に至ったため、構成概念の確認を行い全体的なまとめを行う。今後においては、プログラムの開発へと移行する。
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Causes of Carryover |
2021年度についてはデータ分析に時間を費やし、学会発表等の旅費の支出を行わなかったこと、分析結果の協議についても、オンラインミーティングで対応する等、交通費の支出が発生しなかったことが、次年度使用額が生じた理由である。翌年度においては、学会発表、論文投稿に助成金を使用する予定である。
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