2010 Fiscal Year Annual Research Report
美術に即した文化的・国家的自己同一性の追求・形成の研究―全アジアから全世界へ
Project/Area Number |
19102001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 裕充 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (50126017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桝屋 友子 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (40300735)
深見 奈緒子 早稲田大学, イスラーム地域研究機構, 上級研究員 (70424223)
呉 孟晋 京都国立博物館, 学芸部, 研究員 (50567922)
朴 亨國 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (00350249)
大田 省一 京都工芸繊維大学, 文化遺産教育研究センター, 特任準教授 (60343117)
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Keywords | 美術史 / アジア / 文化 / 国家 / 自己同一性 / ヨーロッパ / アメリカ / 世界 |
Research Abstract |
絵画第一班:小川は、日本・中国・韓国の文化的・国家的自己同一性の根拠となっている一国絵画史を超えて、中国絵画史の影響の有無・強弱により、日中韓三国絵画史を一体的に捉える、東アジア地域世界の文化的自己同一性形成の可能性を指摘した。 絵画第二班:呉・西上実(連携研究者)は、近代日本の中国書画コレクターの自己同一性形成を考察した。とくに朝日新聞社社主の上野理一に注目し、同コレクションが日本において中国絵画史全体を俯瞰する意図に基づいて体系的に形成されたものであり、前近代とは異なる日本人の中国認識の転換点に当たることを明らかにした。 絵画第四斑:井手誠之輔(連携研究者)は、「高麗仏画大展」(ソウル、国立中央博物館)の国際シンポジウム、及び「文藝紹興-南宋藝術與文化」展(台北、国立故宮博物院)の国際シンポジウムにおいて、宋元時代の仏画について研究発表を行うともに、東アジア絵画史における高麗仏画の意義と中国仏画との関係について議論を深めた。 彫刻第一班:朴は、東アジアにおける宗教美術の流伝について研究し、インドに始まる持舎利印の菩薩の図像が中国の北朝から、新羅・百済を経由して日本の奈良時代彫刻にも伝わったという遼寧省調査で得た新知見や、須弥山信仰などが南インドから東南アジア、黒潮に乗って百済、さらに飛鳥に伝わったことなどについて発表を行った。 建築班:大田は、19世紀カンボジアでは、王室関係と仏教留学を通してシャムの影響が強く、王宮・寺院もこの流れで整備されていた。植民地化以降フランスはこの関係を快く思わず、カンボジア独自の建築スタイルを制定した。当報告では、この過程を分析し、傀儡王権の態度が建築にいかに反映したかを考察した。
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Research Products
(6 results)