2008 Fiscal Year Annual Research Report
グローバリゼーションと日本経済 -ヒト、モノ、カネ、社会共通資本-
Project/Area Number |
19103002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
矢野 誠 Kyoto University, 経済研究所, 教授 (30191175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 和雄 京都大学, 経済研究所, 教授 (60145654)
柴田 章久 京都大学, 経済研究所, 教授 (00216003)
新後閑 禎 京都大学, 経済研究所, 教授 (40242135)
照山 博司 京都大学, 経済研究所, 教授 (30227532)
スタハスキー ジョン 京都大学, 経済研究所, 准教授 (40437281)
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Keywords | 経済理論 / 動学的分析 |
Research Abstract |
本研究では「ひと」、「もの」、「かね」、「社会的共通資本」のグループが、交流を図りながら研究を進めている。本年度の成果は以下の通り。 「ひと」グループは、ミクロデータによる実証分析によって、1990年代と2000年代前半を通じて、操業を続けている事業所で発生する雇用創出・雇用消失よりも、事業所の開廃業によって発生する雇用創出・雇用消失の方が雇用変動に支配的な影響を及ぼしていることを示した。また、日本の教育に関するアンケート調査を行い、今後の分析の基礎となるデータセットを構築した。さらに、シンポジウム「21世紀の大学教育と人材育成『競争力の再生向けて』」を開催した。 「もの」グループでは、マクロモデルに外部性を導入することで、経済主体間の相互依存関係を動学的に分析し、多数の均衡経路・多数の斉一成長経路が出現し、ホモクリニック軌道も出現することを明らかにした。 「かね」グループでは、金融取引が自由である開放経済モデルを用いて、資本課税が産業構造に与える効果を分析した。また、日本経済との関係を深めているベトナム経済の現状を体系的に検討する方法、現在の世界経済危機に関する経済学の考え方の整理、日本の貿易構造の変化に関する状況把握で一定の成果を得た。 「社会的共通資本」グループでは、基礎概念となる「市場の質」を配分の効率性と価格の公正性という二つの要素によって定義し、さらに、価格の公正性を競争上の公正性という概念を使って提唱することによって定式化した。また、標準的な価格付けモデルを多数財を含むモデルに拡張し、様々な形のエルゴード性を証明した。 また、全体の数学的基礎として、資本ストックが存在する動学的一般均衡モデルにおける均衡の大域的不決定性、Hamilton-Jacobi-Bellman方程式の周期解、非線形常微分方程式で記述される景気変動などのテーマで研究をすすめた。
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Research Products
(47 results)