2007 Fiscal Year Annual Research Report
伝統構法木造建築物のディテールに基づく設計法の構築に関する研究
Project/Area Number |
19106010
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 祥之 Kyoto University, 防災研究所, 教授 (50027281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 幸平 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (20283674)
秦 正徳 富山大学, 芸術文化学部, 教授 (40198742)
山田 耕司 豊田工業高等専門学校, 建築学科, 准教授 (60273281)
後藤 正美 金沢工業大学, 環境・建築学部, 准教授 (40170469)
斎藤 幸雄 広島国際大学, 工学部, 教授 (50368809)
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Keywords | 伝統構法木造建築物 / 仕口・接合部 / 構造ディテール / めり込み / 水平構面 / 限界耐力計算 / 耐震性能 / 地震被害 |
Research Abstract |
本研究では、伝統構法の技法、技術の良さを生かし、木組み仕口・接合部などの構造ディテールの設計法とともに伝統木造建築物に高い耐震性能を与える構造設計法を構築することを目的としている。平成19年度は、(1)伝統構法木造建物の構造詳細調査を行い、柱-横架材接合部の構造ディテールと構造メカニズムを調べ、木と木のめり込みに注目した研究を行った。めり込み現象を単純圧縮によるめり込み、回転を伴っためり込み、端部の拘束によるめり込みなど、実際の接合部で発生するめり込み現象を実験的に調べるために、実験方法、実験装置を開発して、仕口・接合部の詳細、寸法、材種などをパラメータとする接合部要素実験を実施した。塑性領域に至る大きな変形での解析が可能なめり込み理論の開発を行った。(2)伝統構法の土塗り壁、小壁の実大実験と詳細な数値解析に基づいて耐力発現のメカニズムを明らかにするとともに、理論解析的モデルを構築して復元力特性を評価するとともに、実験結果との比較検証を行った。(3)伝統構法特有の柔な水平構面を組み込んだ伝統構法木造軸組の立体的な力学モデルを構築し、水平構面の影響を調べた。立体モデルをもとに伝統木造軸組全体の水平構面の剛性、立体構面の壁配置による偏心などパラメータとした地震応答解析を行い、E-ディフェンスで実施した伝統構法木造軸組の実験結果と比較検証を行った。(4)2007年能登半島地震および2007年新潟県中越沖地震での木造建物被害調査を実施した。特に伝統構法木造建築物の被害と構造的特性との関連を調べるために構造詳細調査を行った。これらの調査から限界耐力計算に基づく耐震性能評価を行い、被害との対応関係を検討するとともに、仕口・接合部に問題点を指摘した。
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Research Products
(64 results)