2011 Fiscal Year Annual Research Report
CCNファミリーの新規シグナルコンダクターとしての包括的分子基盤の解明とその応用
Project/Area Number |
19109008
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
滝川 正春 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20112063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 聡 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90221936)
服部 高子 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00228488)
西田 崇 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30322233)
青山 絵理子 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10432650)
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Keywords | CCNファミリー / シグナルコンダクター / CCN2/CTGF / 分子間相互作用 / CCN3/Nov / 軟骨 / 骨 / ハルミン |
Research Abstract |
(1)当初細胞外シグナリングネットワークの一次アウトプットを細胞内シグナル活性化強度と設定し、シミュレーションを試みたが、定量性と一義性に関する疑問点が浮上した。そのため本年度は細胞生理学的レスポンスをアウトプットとしたモデリングに進み、関連データを収集整理した。 (2)年度当初の2つの計画項目を併せた形で研究を展開した。即ち、特定の分子との相互作用のみを残した軟骨再生CCN2誘導体を設計、培養細胞での効果を確認した。現在モデル動物を用いた効果の検証に進んでいる。 (3)本年度のスクリーニングにより解析対象に加わった新たなCCNファミリーメンバー結合因子には、FGF-1などの成長因子のほか、Rasファミリーに属するGTPaseやアポトーシス受容体の一種などが含まれる。これら分子に関して薪たにSPR法などによるCCNファミリーメンバーとの相互作用の確認とその定量的把握を行った。 (4)前年度系統を確立した軟骨特異的CCN3強発現トランスジェニックマウスの表現型を解析した。即ち、トランスジーンの存在、発現確認作業に並行して解剖学的、組織学的解析を行い、内軟骨性骨形成への影響に起因すると思われる、四肢の海面骨密度の低下が認められた。 (5)前年度樹立したスクリーニングシステムでハルミンをCCN2誘導小分子として再発見したが、本年度はその軟骨細胞に対する効果につき検討した結果、ハルミンは類縁アルカロイドの中でも最も強くCCN2を軟骨細胞で誘導し、Sox9やII型コラーゲンの産生を増強した。さらに炎症性サイトカインによる軟骨細胞形質の損壊に対し、ハルミンが防御的効果を発揮した。また、別のスクリーニングシステムを用いて米国FDA承認済化合物ライブラリーから、fluocinolone acetonideを軟骨再生分子候補として見出し、同分子が強くCCN2遺伝子発現を誘導することも確認できた。
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