2010 Fiscal Year Annual Research Report
科学リテラシーの涵養に資する科学系博物館の教育事業の開発・体系化と理論構築
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19200052
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
小川 義和 独立行政法人国立科学博物館, 事業推進部学習企画・調整課, 課長 (60233433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀井 修 独立行政法人国立科学博物館, 事業推進部・連携協力課, 課長 (40415609)
岩崎 誠司 独立行政法人国立科学博物館, 事業推進部・学習企画・調整課・学習企画・調整担当, 係長 (90259995)
有田 寛之 独立行政法人国立科学博物館, 事業推進部・学習企画・調整課・学習企画・調整担当, 専門職員 (70342938)
田邊 玲奈 独立行政法人国立科学博物館, 事業推進部広報・サービス課・常設展示・展示案内担当, 係員 (80392538)
原田 光一郎 独立行政法人国立科学博物館, 事業推進部・連携協力課・連携協力担当, 係員 (10450628)
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Keywords | 科学リテラシー / 科学系博物館 / プログラム開発 / 体系化 |
Research Abstract |
中高年・団塊の世代を対象とした科学リテラシー涵養のための学習プログラム(以下、プログラムと表記)開発を行った。さらに、これまでの知見を元に、プログラムの共通性と多様性を抽出し、プログラムおよびプログラム体系を構築、再評価した。また、研究最終年度として、国際的なシンポジウムを開催し、研究成果を公開するとともに、報告書および広報パンフレットを制作した。主要な成果を以下に示す。 1.「生命・人間と社会」「宇宙・地球・環境と社会」「物質と社会」「技術と社会」の四つの分野で、中高年・団塊の世代対象のプログラムを開発・実践し、評価を行った。「宇宙・地球・環境と社会」分野の開発プログラムでは、地域の産業・文化・社会のインフラと大地の成り立ちのかかわりという軸から、これまで参加者が持っていた地学的な知識や経験を、改めて「暮らし」や「地域」という切り口で再認識する機会を提供することができた。活発な知識の伝達や共有が参加者間で行われ、コミュニケーション能力の向上にも寄与できる可能性が示唆された。 2.プログラム体系の基本の枠組み(4分野×4世代)を開発プログラムで全てカバーした。分野ごとに提案してきた体系化の軸については、「空間や時間の広がり」や「概念の深まり」等、成人になるまでに大きく広がった後、中高年・団塊の世代で再び収束していくというような共通性も見られた。 3.国内外における学会発表およびシンポジウム開催を通して、以下の成果を得た。 (1)博物館や科学にあまり関心のない層へのアプローチを考える時、情報の発信の在り方だけではなく、情報の受け手への視点が非常に重要であることが示唆された。利用者の多様性を理解するための取り組みや研究の必要性が明らかになった。 (2)世代間をつなぐ学習プログラムを開発することにより、個人の科学リテラシー向上から社会総体としての科学リテラシー向上へと発展する可能性が示唆された。
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Research Products
(30 results)