2009 Fiscal Year Annual Research Report
品質工学(タグチメソッド)の理論と応用に関する学術的研究
Project/Area Number |
19201029
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 研太郎 Tokyo Institute of Technology, 大学院・社会理工学研究科, 助教 (00376948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 靖 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30198337)
中西 寛子 成蹊大学, 経済学部, 教授 (60207834)
関 庸一 群馬大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90196949)
山田 秀 筑波大学, 大学院・ビジネス科学研究科, 教授 (60260965)
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Keywords | MTシステム / 多重共線性 / オンライン品質管理 / 一部実施計画 / 過飽和実験計画 / 確率対応法 / SN比 / 統計的品質管理 |
Research Abstract |
本研究は,日本発のマネジメント・オブ・テクノロジーである品質工学(タグチメソッド)を数理的側面から捉え直し,定式化して普遍化していくことで,発展させやすいものに整理していくことを目指している.平成21年度においては以下の研究成果を得た. 1) 等SN比性検定を,同一の試料を繰返し測定して得られる従属なデータへ拡張した.さらに,拡張したSN比を定義し直すことで,等分散性の仮定を外すことを可能にした.これらの等SN比性検定方法について,シミュレーション実験によって有効性を示した. 2) オンライン品質管理について,工程に異常が起こったときに,それを直ちに検知し正常状態に戻すための調整方式を,予め工程設計段階で合理的に決定するための方法論を,実際の事例とシミュレーション実験に基づいて構築した.そして,シミュレーション実験による最適化設計プロセスにおいて,実験計画法と品質工学を活用する方法について整理を行った. 3) MTシステムを利用する分野や事例の再検討をし,時間によって単位空間が変動する現象へのMTシステムの適用について考察した.また,多重共線性への対策方法を考案した. 4) 2水準因子に関する一部実施計画の問題について,最適性に関するMA基準やGMA基準を拡張した基準を提示した.また,過飽和実験計画と確率対応法について整理を行った. これらの結果により,タグチメソッドの性質が理論的に解明されただけではなく,今後さらに発展させていくための礎が形成されると期待される.
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