2008 Fiscal Year Annual Research Report
「生活場所(ビオトープ)」の美学-自然・環境・美的文化
Project/Area Number |
19202005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西村 清和 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50108114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尼ヶ崎 彬 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 教授 (70143344)
長野 順子 神戸大学, 文学部, 教授 (20172546)
相澤 照明 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (50167764)
山田 忠彰 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (10220386)
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Keywords | 自然 / 芸術 / 美的生活 / 環境 / 日本の芸術 / 都市 / 風景 / 旅行 |
Research Abstract |
1.本研究は従来自然美論、風景論、環境美学、都市美学という標語のもとで考えられてきたさまざまな具体的、個別的諸問題領域を、生活の場において企てられたさまざまな美的実践としてとらえなおし、あらたな理論化を目指すものである。この目的のために今年度は、5回の研究会議において、ギルピンのピクチャレスク・ツアー(相澤)、映像メディアと都市イメージの変容(渡辺)、「サウンドアートと環境連鎖」(中川)、「エスト-エテイカ: (デザイン・ワールド)と(存在の美学)」(山田)、掃除ポイエーシス(外山)についての研究分担者による研究発表とそれについての討議をおこなった。 2. 研究代表者の西村は2008年8月に、現在の環境美学を代表するカナダ・アルバ一夕大学のアラン・カールソン教授の研究室に赴き、自然美論、環境美学について意見交換をした。またその席上で、来年度の10月に来日して講演をするように依頼し承諾を得た。 3. 研究代表者の西村は、2008年10月に中国・湖北大学に招かれ、湖北大学および北京第2外国語大学、北京大学で「自然の美的鑑賞」について講演と質疑応答をおこなった。これをつうじて、本研究の成果をひろく海外にも発信することができた。 4. 国内の美学会例会においても、研究の成果を発表した(「場所の記憶-廃墟の詩学」西村)。 5. その他、必要に応じて研究分担者はフィールド・ワークもふくめて、多様な領域にわたり調査、資料収集を行なった。 これらの研究会、学会での発表や討議をつうじて、本研究が設定しているテーマが予想していた以上に多様なひろがりをもつこと、それにもかかわらずそれらが人間の生活の場に根ざした基本的な美的実践であることがよりはっきりと認識され、今後の議論のさらなる展開の可能性が開かれたことで、充分の成果を上げた。
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Research Products
(31 results)