Research Abstract |
1,古代東アジアをひとつの文化世界としてとらえる見地に共鳴する国内の研究者を組織することは,上代文学会のセミナーと重ねるかたちで開催した以下のセミナーを,中核となる研究者の協働を得て実施することで実現した。6月「『古典日本語の世界』第一部について」(東京女子大学,鉄野昌弘教授),12月「韓国古代木簡の現在」(山形大学,三上喜孝准教授),1月「類書をつかいこなすために」(研究分担者,齋藤)の3回のセミナーと,9月大阪府立大学,乾善彦教授による集中講義「7〜8世紀の列島の文字世界」。海外の研究者との連携にかんしては,韓国,成均館大学,台湾,中央研究院,アメリカ,コロンビア大学との間で,それぞれ中核となるキムシオップ教授,張教授,ルーリー准教授,シラネ教授と打ち合わせの機会を得,協力関係を確認することができた。その第一歩として,成均館大学において9月末に「韓国の古典世界」をテーマとしてミニ,シンポジウムを開催し,すでに協働の具体化にふみだした。なお,ひろく海外への発信の場ともなる,ホームページを,日英中(簡体字,繁体字)韓の四ケ国語で開設した。 2,国内の研究会と,海外のシンポジウムの成果は,論文集としてまとめる予定で,準備中である。 3,教育プログラムにかんしていえば,神野志,齋藤が参加した『古典日本語の世界』(四月),神野志の『漢字テキストとしての古事記』(二月)を,東京大学出版会から刊行することができた。これをもとに東京大学教養学部における授業をおこなってプログラムとしての実践に踏み出した,また,08年1月のセミナーは,齋藤による公開授業としてなされた。 4,研究教育環境の整備として,東京大学駒場図書館に,『漢語大詞典』他のCD-ROMを寄贈した。北大,京大でも図書等を充実した。
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