2007 Fiscal Year Annual Research Report
GISを用いた東アジア都市・王城遺跡形成史の比較研究
Project/Area Number |
19202017
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
山中 章 Mie University, 人文学部, 教授 (40303713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関口 敦仁 情報科学芸術大学院大学, メデイア表現研究科, 教授 (10336646)
今泉 隆雄 東北大学, 文学研究科, 教授 (60000501)
山田 雄司 三重大学, 人文学部, 准教授 (90314103)
小澤 毅 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 研究室長 (00214130)
橋本 義則 山口大学, 人文学部, 教授 (60164802)
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Keywords | GPS / GIS / 宮都 / タンロン皇城遺跡 / 比較研究 / 安南都護府 / 東アジア / 大越国 |
Research Abstract |
ヴェトナム民族の統一国家として成立した大越国の都・タンロン皇城遺跡(ハノイ)の中心部で発見されたポホアンジウ18番遺跡D3区において発掘調査を実施し,GPS測量によって計測された基準点を基にトータルステーションを用いた遺構の測量を行った。発掘調査により,当該地区が遅くとも黎朝期後半の17世紀までには大規模な地形改変を受け,宮殿の大型建造物群が撤去され,排水溝や池状遺構などの水対策用の施設に改変されたことが証明された。その要因が何に起因するかが不明であったが,下層の堆積状況を把握することによって,それが当該地区が抱える根本的問題-排水の悪い土地条件に起因することが明確になった。当地区のダイナミックな土地改変の様相を一般に知らしめるには,最新技術であるGPSを用いた3D復原が最も有効であることが再認識された。そこで,発掘調査と併行して,測量調査と詳細写真撮影を行い,ヴァーチャルリアリテイー作成のための基礎情報を入手し,遺構表示のための試作を試みた。 この成果により,他の地区における測量成果との厳密な比較が可能となり,ホアンジウ18番遺跡全体の遺構変遷や各王朝期における施設群の配置を分析する基本情報がようやく整備できたことになる。今後当該期の建築遺構の研究を並行して進めることによって,複雑に絡みあった施設群を解きほぐし,往時の偉容を復原することが可能になった。2010年に計画されている建国1000年の行事に用いる極めて重要なデーターを提供することができた貴重な調査成果であったといえる。
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Research Products
(4 results)