2009 Fiscal Year Annual Research Report
VR画像を活用した日本装飾古墳デジタルアーカイブの構築
Project/Area Number |
19202026
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Research Institution | Kyushu National Museum |
Principal Investigator |
河野 一隆 Kyushu National Museum, 学芸部企画課文化交流展室, 室長 (10416555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤司 善彦 福岡県立アジア文化交流センター, 展示課, 課長 (00446882)
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Keywords | 考古学 / 日本史 / 東洋史 / 美術史 / コンテンツ / デジタルアーカイブ / 文化財学 / VR(Virtual Reality) |
Research Abstract |
本研究は、日本列島に分布する装飾古墳を対象とし、現状記録写真の撮影とVR画像を作成することで、装飾古墳の記録・保存・管理のモデル事業を展開するためのデジタルアーカイブを構築するものである。従来、装飾古墳は所轄の教育委員会等の管理団体が、目視と異常部位の写真によって記録されてきた。しかし、VR技術によって作成される位置情報をもった画像は、石室のような立体構造物の記録保存に最適であり、今まで監視システムが確立していない装飾古墳の経年変化を記録するための有効な手段となり得る。この研究の意義は、現時点での装飾古墳の記録として重要であると同時に、現地では春秋に公開が制限されていた装飾古墳をweb上で展示および公開することで、装飾古墳に対する意識を高め、広く社会に成果を還元することができる。この目的に沿って、大型の文化財保存のためのデジタルアーカイブの実証実験を行うことが、本研究の目的である。これに沿って、平成21年度は、福島県泉崎横穴墓・福島県羽山1号横穴・佐賀県龍王崎6号墳・福岡県桜京古墳・佐賀県西隈古墳・福岡県呰見大塚古墳の6基の装飾古墳の計測を実施した。ここでは、九州以外の装飾横穴墓をはじめて対象とし、良好な成果を得ると同時に福岡県内で新たに発見された装飾古墳(呰見大塚古墳)の計測も実施することができた。また、当館の平常展内でもトピック展示「進化する博物館II~みる、きく、ふれる、神々の青銅器へのいざない~」でも成果の一部を公開し、特に裸眼立体視モニターで装飾古墳VR映像を展示するという新しい展示手法を実験し、来館者から好評を得ることができた。さらに、本年までのVR画像および装飾古墳研究の成果を纏めた報告書作成に着手し、来年度に考察を加えて完成する予定である。
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