2009 Fiscal Year Self-evaluation Report
Human geographical study on the commodification of rural spaces in Japan
Project/Area Number |
19202027
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Human geography
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
TABAYASHI Akira University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (70092525)
|
Project Period (FY) |
2007 – 2010
|
Keywords | 地域性 / 景観 / 集落 / 生活様式 / 農村空間 / 商品化 / 余暇・観光 / 地域資源 |
Research Abstract |
(1)研究の背景1990年代以降の日本では、農業が引き起こす環境問題や農業の担い手不足、米の生産調整政策の強化、輸入農産物との競合、食料自給率の低下、農村自体の弱体化など、様々な農業問題が顕在化してきた。この時期のより重要な構造的変化は、これまで基本的に農業生産の場としてみなされてきた農村が、農業生産のみならず、余暇や癒し、文化的・教育的価値、環境保全など、その他の機能をもつ場として捉えられることが多くなったことである。すなわち、現代の農村空間では、生産空間という性格が相対的に低下し、消費空間という性格が強くなっている。これを、「農村空間の商品化」として捉えることができる。 (2)研究の目的本研究では日本において農村空間の商品化がどのような形で、どのようなプロセスで振興しており、さらにそれが農村空間をどのように再構築しているかを、主として具体的な実証研究に基づいて、明らかにしようとする。 (3)研究の具体的内容と手順本研究は大きく4つの内容を含んでいる。まず第1に現代の農村空間を捉えるための地理学における概念的・方法論的研究である。第2には全国を視野にいれた農村空間に関する系統地理学的な課題の整理である。第3には日本の各地域における実証的研究であり、フィールドワークを重視しながら、現代の農村空間でおきている現象の実態と特徴を明らかにする。第4に商品化する日本の農村空間の性格と構造、そして地域差を解明する。初年度は第1と第2の課題に取り組み、農村空間の系統的地理学的な課題を整理する。第2年度と第3年度には具体的な実証的研究を行い、最終年度に研究動向と系統地理学的な課題、そして具体的な事例研究に基づき、第4の課題に取り組むことにする。
|