2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19203015
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
土井 教之 Kwansei Gakuin University, 経済学部, 教授 (60098431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新海 哲哉 関西学院大学, 経済学部, 教授 (40206313)
松村 敏弘 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (70263324)
田中 悟 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (20207096)
岡村 誠 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 教授 (30177084)
中西 泰夫 専修大学, 経済学部, 教授 (40258182)
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Keywords | 特許・特許の藪 / 技術革新 / 研究開発(R&D)戦略 / 競争政策・知財権政策・産業政策 / パテントプール / 技術標準 / 競争・協調 / 競争法・知的財産権法 |
Research Abstract |
本研究は、製品における要素技術間の関連と企業のR&D戦略・知財戦略との関係、およびその政策的含意を総合的に考察するために、以下の主な分析をメンバーの単独または共同で行った。 1.ハイテク産業における企業の特許・R&D戦略の理論的研究では、技術の補完性や製品差別化に注目し、その下でのR&D誘因、革新競争、共同研究、技術選択、クロスライセンス戦略を考察した。それぞれのメカニズムを明らかにし、またそのうえで政策提案を試みている。 2.複雑な技術間関係の存在から重要な企業戦略となっている合意型技術標準と特許プールについて、詳細な事例研究などを通して実態とそれに関連する政策の効果やあり方を考察した。従来あまり試みられていない政策の事後検証や、革新と標準の競争・協調メカニズムを解明した。 3.企業の革新・知財戦略と競争法との関連を、外国との比較研究を通して考察した。これらの研究から得られた知見は、それぞれの研究の中でも考慮された。 4.当課題に関連する公共政策上の問題として、具体的な事件を取り上げながら、特に非係争条項の競争への影響とそのあり方について考察・強調した。 5.要素技術・特許間の関係の計測を引き続き考察した。また、代替的な計測方法、特許データの工夫・開発などの分析手法を考慮しながら、日本企業の特許価値を計測し、興味深い事実とそれからの特許政策への含意を明らかにした。また、R&D活動と競争との関係について、実証的に分析し、注目すべき結果を得た。 6.標準化と知財政策について企業向けアンケート調査を実施し、その結果をインタビュ(20社)で補足しながら分析した。わが国では最初の本格的な調査となり、有意義な知見が得られた。 以上の分析の成果の一部は、外国研究者(2名)を含む、メンバー外の専門家(約30名)も出席して開催した国際会議、そしてまたメンバーによる全体会議で報告され議論された。これらの報告は、また本として公刊される予定である。
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