2009 Fiscal Year Self-evaluation Report
A Cross-National Empirical Study of Trust in the Age of Globalization
Project/Area Number |
19203026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Sociology
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
SASAKI Masamichi Chuo University, 文学部, 教授 (30142326)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Keywords | 信頼感 / 意識調査 / 国際比較 / グローバル化 |
Research Abstract |
「信頼」は、社会学において根幹をなす大変重要な研究テーマの1つである。本研究では、新たな「信頼」を生むシステムの確立に取り組む。本研究の主要な目的は(1)「信頼感」の尺度構成(2)「信頼感」の構造に関する基礎理論の構築(1)個人の特性(2)対人関係における「信頼感」の構造の解明(3)多様な文化・社会システムにおける「信頼感」の構造の解明(3)21世紀の国際社会における新たな「信頼」のシステム確立の指針への探索である。研究計画は次のとおりである。 上記(1)の目的を達成するため計量的分析を可能にする回答構造の統計的分析方法である一連の多次元的データ解析法、即ち「数量化理論」と「連鎖的調査方法」を用いて尺度を構成する。 上記の(2)と(3)の目的を達成するため、文部科学省統計数理研究所が1953年から継続してきた「日本人の国民性調査」と、1986年から数回に渡って我々が、実施してきた「7カ国国際比較調査」データの中から、「信頼感」に関する質問項目群を抽出し、これを参考に「信頼感」について、これまで調査を実施した数カ国と新たに加える国において統計的標本抽出法に基づき面接による国際比較調査を実施する。調査対象となる国の選択については我々の「日本人の国民性調査」及び「7カ国国際比較調査」の結果を勘案し、日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツとする。新たに加える国は東欧の国としてチェコ、アジアの中で全国規模での統計的標本が抽出できる基準を満たす台湾と、東西文化の接点としてのトルコを研究の進捗状況をみて加える。また社会学的概念として「信頼」を、「研究目的」で述べたように、個人、社会関係、そして社会システムの特性と捉え、その定義を広義に解釈する。さらに、質問項目については、ミシガン大学が長年調査に使用してきた3問と、既存の他の意識調査で使用してきたものなどを吟味し、我々が長年用いてきた価値観についての質問項目と合わせ、新たな項目を設定する。 本研究の調査を実施するためには、標本調査倫理に則った最低のサンプル数は各調査対象となる82地点以上で1,500人(有効回収数は1,000人以上を期待)が最小限必要となる。なお、サンプルは調査対象者の民族、宗教等の差異に十分考慮するものの、それらの社会全体での位置付けがわかるように、特定の民族、宗教に焦点を絞らず全国規模でランダムに抽出する。国際比較の視点から、「信頼感」の構造を比較対象国の人々の一般的意識構造・民族・歴史・宗教・文化・教育システム等に関連づけながら解明する。
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Research Products
(4 results)