2007 Fiscal Year Annual Research Report
わかる数学の授業を構築するための基礎研究-小中高接続の重点化を通して-
Project/Area Number |
19203037
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
吉田 明史 Nara University of Education, 教育学部, 教授 (30444615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重松 敬一 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (40116281)
今岡 光範 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (20031817)
國宗 進 静岡大学, 教育学部, 教授 (50214979)
熊倉 啓之 静岡大学, 教育学部, 教授 (00377706)
長尾 篤志 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター, 教育課程調査官 (00353392)
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Keywords | わからせる対象 / わからせる方法 / わかったことの評価 / 授業研究 / ディベート / つまずき |
Research Abstract |
○取組の具体的内容:まず、「わかること」についての教員の意識調査(予備調査)を実施し、調査項目を整理した。次に、代数、幾何、解析、確率統計の各分野ごとに、学校種を越えて「わかる授業」の視点や課題について協議した。数式分野では、国内で実施されている算数・数学にかかわる各種調査結果を踏まえ、小中を連接させる授業事例や高校での現状の課題と検討課題を整理した。また、数式分野で見られるつまずきの事例について協議した。解析分野では、研究授業を通して「わかる授業」について協議した。特に、「授業でわかってもらいたいこと」「わかってもらうための手立て」「わかったかどうかの評価」について協議した。また、「わかる授業」を明確化させるために、国内外の各種の調査結果を踏まえながらつまずきの内容やその要因を考察した。幾何分野では、解析分野と同様の考察のほか、研究授業を実施する上での着眼点を、授業前・中・後という場面で整理した。確率統計分野では、身近な事象の分析に統計を活用するという視点に立ち、ディベートを取り入れた授業を展開し、その課題を整理した。 ○取組の意義と重要性:予備調査から、学校における各教員の「わかること」のとらえ方が様々であることがわかるとともに、教員に対しては「わかること」と「できること」の関係について考えることの重要性を啓発できた。また、「わかる授業」を構築するには、「何をわからせるために、どのような工夫をし、わかったことをどのように把握するか」について、継続的に調べることが重要であるとの認識を共有できた。さらに、「わかる授業」についての研究授業をする際には、グループによる事前の多面的な検討を基に、教材選択や展開方法の最終判断を授業者に任せ、授業後にその判断について協議を深めることが重要であるとの認識で一致した。
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