2008 Fiscal Year Annual Research Report
特別なニーズのある幼児・児童・青年の障害特性の評価と支援プログラムの開発
Project/Area Number |
19203038
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
室橋 春光 Hokkaido University, 大学院・教育研究院, 教授 (00182147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 康雄 北海道大学, 大学院・教育学研究院, 教授 (20171803)
安達 潤 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (70344538)
斎藤 真善 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (50344544)
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Keywords | 発達障害 / 学習障害 / ADHD / アスペルガー障害 / QOL / 青年期 / 障害特性 / 脆弱性 |
Research Abstract |
青年期における「生きづらさ」に関する主観的評価(QOL)アンケートを試作し、大学生100名に実施した。因子分析の結果、第一因子には自己評価、また第二因子には対人関係領域の項目が多く含まれていた。また男女別因子分析の結果、第2因子以下に違いが現れ「生きづらさ」の質における性差の存在が示唆された。さらに発達障害関連指標(ディスレキシア、ADHD、アスペルガー障害)を用いて大学生を対象とし、これらの関連性を検討したが、それらの間に明確な関係は見いだされなかった。他方、定時制高校生30名を対象とした同様の調査では、特に男子においてLD、ADHD特性が「生きづらさ」により強く関連する可能性が示された。他方、アスペルガー障害特性については、明確な関係は見いだされなかった。この結果の解釈には慎重さを要するが、読み書き困難や多動衝動性などは、より直接的に「生きづらさ」に関連するものと考えられる。またこれらめ結果にみられる性差から、社会的環境の不十分さ都生物学的脆弱性をして社会的脆弱性を誘起しやすくすることも示唆される。 発達障害のある児童・生徒数名を対象としてIEPを作成し、障害特性に応じた個別の学習指導を継続的に実施した。障害特性の適切な把握とそれに応じた指導を企画し、継続的に援助していくことが自己評価を改善するであろうと考えられた。また指導経過を保護者に伝えを共有していくことが親支援・関係者支援につながり、本人との関係を改善することにも寄与すると考えられた。青年期におけるQOL調査から、できるだけ早期に発達障害特性に合わせた支援を行っていくことが、将来的に「生きづらさ」を減少させることにつながると想定される。
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Research Products
(9 results)