2009 Fiscal Year Annual Research Report
特別なニーズのある幼児・児童・青年の障害特性の評価と支援プログラムの開発
Project/Area Number |
19203038
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
室橋 春光 Hokkaido University, 大学院・教育学研究院, 教授 (00182147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 康雄 北海道大学, 大学院・教育学研究院, 教授 (20171803)
安達 潤 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (70344538)
齋藤 真善 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (50344544)
寺尾 敦 青山学院大学, 社会情報学部, 助教 (40374714)
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Keywords | 発達障害 / ディスレキシア / 音韻処理 / 青年期QOL / 学習障害児親の会 / 課題提示型カウンセリング |
Research Abstract |
発達障害に関する基礎的研究領域では、ディスレキシアを中心に検討した。ディスレキシアを主訴とする児童・青年を対象として、スプーナリズム、音韻削除などの音韻処理に関する諸検査を実施した。また非接触型眼球運動測定装置を用いた文章黙読・音読時の眼球運動を計測するとともに、滑動性眼球運動、コヒーレントモーションなどの脆弱性を反映しうる視覚的諸指標についても測定した。さらに、音韻呈示による事象関連電位測定を行い、ミスマッチネガティビティ(MMN)を分析した。これらの結果をもとに各事例におけるディスレキシアの原因を解析・検討するとともに、視能訓練用ソフトウェアを利用して眼球運動の改善を図った。また事例によっては、Steinらの提案する黄色や青色シートによる読字環境の改善を図った。人の成人女性事例では、これらの訓練により顕著な改善が認められるに至った。 青年を対象としたQOLと発達障害特性との関連性を検討する調査では、高校生(定時制、単位制)の生徒を対象として検討した。また学習障害児親の会にも協力を求めて親子による比較検討を実施した。その結果、高校種によって生徒のQOLと発達障害特性との関連性には違いが存在することが伺われた。また学習障害児親の会に所属する青年達は、定時制や単位制高校の生徒達と異なるQOL-発達障害特性の関連性を示すことが伺われた。親の会に所属する親子については、親からみた子の特性も調査し、本人の結果と比較検討した。その結果、QOLの自己関連評価因子、攻撃性因子、友人関係因子、家族関係因子、課題解決能力因子において親子間の差異が認められた。また希望により個別調査結果に基づく親子カウンセリングを実施した。この方法により、親子関係についてより具体的に課題を提示するかたちのカウンセリングを行いうることが示唆された。
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[Journal Article]2010
Author(s)
田中康雄(共著)
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Journal Title
「発達障害の臨床心理学」注意欠如・多動性障害(ADHD)研究の現在(東京大学出版会)
Pages: 87-109(289)
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[Journal Article]2009
Author(s)
田中康雄(共著)
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Journal Title
「発達障害ケースブック」(ADHDと学校支援)(慶應義塾大学出版)
Pages: 77-85(168)
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[Journal Article]2009
Author(s)
田中康雄(共著)
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Journal Title
「児童青年精神医学セミナーI」コミュニケーション障害と学習障害の理解と対応(金剛出版)
Pages: 145-161(212)
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[Journal Article]2009
Author(s)
田中康雄(共著)
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Journal Title
「子どもの攻撃性と破壊的行動障害」ADHDと破壊的行動障害(中山書店)
Pages: 65-81(262)
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